有害物質

有害物質による大気や水や土壌、生物や人体への汚染には多様なバリエーションがあり、しかも次々生み出されてゆきます。深刻化して病気や大量死など、劇的な被害が発覚すると一般的にもニュースとして大々的に取り上げられますが、少量が長年蓄積したのちに被害が表面化するケースも多く、環境団体等の監視に常時注目する必要があります。

戦争兵器・原発・企業等による汚染のみならず、家庭生活に伴う水質や大気などの汚染（生活排水、車、ゴミ処理など）も大きなウェイトを占めており、個人の生活のマネージメントが最も求められる問題でもあります。

森林破壊

森林、特に手付かずの原生林は生態系を守るうえでも重要視されていますが、どこそこの原生林が破壊されているといっても、いちいち一般のニュースに取り上げられないのが実情で、保護や情報入手のためには、森林保護を活動分野とする団体などに常時アクセスする必要があります。
日常使われている家具や紙などだけでなく、建築用のコンクリート・パネルなどでも大量の樹木が消費され、また大手外食産業チェーンに原料を供給する農場のために、南米の熱帯雨林（レインフォレスト）が破壊されたケースなどもあります。
熱帯は気候が厳しいため、農場や商業伐採などで大規模に切り開かれると再生が難しく、これが砂漠化の原因となります。森林破壊は環境破壊の連鎖の大きな柱であり、生態系破壊や温暖化に大きく拍車をかけます。

生態系保護

陸海の野生生物の人工的な減少は、人間が食料として得ている野生の恵みの安定供給を妨げるだけでなく、生態系を破壊し、環境破壊に拍車をかけ、更には気候変動や温暖化促進といった、大規模環境破壊をも助長します。
特に食物連鎖の中で上位にある動物（捕食動物や大型の動物など）や、その中でも出産頭数が少なく繁殖年齢に達するのが遅い種は、絶滅の可能性や、減少による自然界への影響力が大きく、商業利用による大量捕獲などには耐えられないとされています。
また水質汚染や気候変動、種の減少や異常発生などのさまざまな要因と相乗効果で、野生生物を対象とする漁業などでは予測不能な事態が頻発し、次々施行されることが不可避な保護のための捕獲制限、種の本格的絶滅などに対応した政府の対策や保証なども必要な時代に突入しています。

地球温暖化

地球温暖化はさまざまな環境問題が組み合わさって起こった大規模な環境破壊で、海面上昇に伴う陸地の水没、強いては氷河期の到来や人類の滅亡をも招くとされる、不吉なキーワードです。
オゾン層の破壊が植物や海中のプランクトンに与えるダメージや、それによって促進される生態系破壊、また大気汚染がもたらす酸性雨による森林破壊などといった悪循環で、温暖化は雪だるま式に加速する構造になっており、わたしたちひとりひとりがひとつの環境問題だけでなく、あらゆる環境問題に真剣に向き合う必要を迫っています。

原発問題

原子力発電に使われるプルトニウムは汚染物質の中でもトップクラスの強い毒性を持ち、放射能汚染期間は長期に渡り、発電所の中や周囲の生命や環境に危険があることはもちろん、核廃棄物の輸送過程、破棄でも事故その他による被爆・汚染の危険を伴います。
またテロの標的になる懸念や、今までに世界の原発から紛失したプルトニウムで核爆弾製造が可能なことも取りざたされています。
更に安全管理の難しさから、操業停止・中止による電力供給不足なども問題になってきており、発電するたびに生み出されてしまう核廃棄物と共に、続けるほどコストや問題も増大する発電方法となりつつあります。

戦　争

戦争は非人道的な殺戮・破壊行為であることはもちろんですが、その戦闘区域や兵器規模の拡大によって、現代では「最大の環境破壊」とも位置づけられています。
現代の戦争は剣と盾で戦っていた時代と違い、兵器や戦闘機・戦艦等の輸送手段共に巨大スケールのため環境への作用が大きく、核を筆頭とした放射能排出兵器や、生物・化学兵器は長期かつ深刻な汚染をもたらします。
また戦争の準備段階である核実験なども、非常に大きな環境破壊要因のひとつです。