PALM過去編集大成となった、カーターとジェームスのビギニング・ストーリー。
ふたりの人格形成の過程、今まで語られなかった真実、互いにシンクロする運命、
クロニクルらしい壮大な時の流れを存分に味わえる大長編。
作者や読者の予想を超えてたたみかけるレイヤー状の悲劇の中、皮肉としたたかな適合力で
これを受け止めるカーターと、猛烈な闘志と精神力であらゆる困難を打破してゆくジェームス。
ジェームスの初恋とカーターとジャネットの出会いは、
特異な環境に育ち、生きたふたりならではの純愛物語。
ふたりを囲むキャラクターの数もいつもに増して多く、伝説のレイランダー、初登場のグリフィン、
エリーの組織の面々、幼いアンジェラやパパのロウランドもいい味を出している。
特別出演(?)のサロニー様の意外なまでの大活躍にも注目。
ある意味ふたりにとって「青春」とも言える、共に脱線気味なカーターのプレイボーイ時代と、
ジェームスの刑務所時代はドタバタコメディ風でほっこりできる。