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                  ●PALMに次ぐ大長編オムニバスシリーズ「THE WORLD」の、最初の発表作品。 
                  もともと短編をまとめ上げる構想でスタートしたTHE WORLDは、PALMよりも完全に一話完結したエピソードが多く、この作品、ルビー・ブラックも独立性の強い中編である。 
                  すべての生き物の頂点に立つ精霊の王(のひとり)ブラック・ワイルドが奥方候補ルビー・ブラックの心の傷を癒すため、彼女を前世で彼女を捨てた人間の男と次々結婚させてゆくという寓話風ストーリー。 
                  この作品は初の全ページコンピュータ・グラフィック作品でもあり、従来の白黒基調の画面に代わり、光線や階調を意識した画面造りが基調となっている。 
                  /★★★★★ 
                   制作エピソード/ 
                    本作品は初のCG作品であるとともに、獸木野生作品が、初めて新書館以外の雑誌に掲載された作品である。 
                    以前某雑誌の環境問題関係のエッセイでチームを組んでから、出版界でもっとも長い知り合いだったS編集者に、わけあってオーストラリア移住を目前とした1996年はじめ、こちらからお願いして、徳間の雑誌Charaに掲載してもらうことになったものだ(S編集者は、わたしに以前Charaの前にあった雑誌に寄稿を依頼して、わたしが断ったと言うのだが、わたしには記憶がない・・・)(彼女は非常に奥ゆかしい態度の方なので、きっとわたしにはわからないほど遠回しに打診してみて、わたしの反応がひどく鈍かったので断ったと思ったのだろうと後で推測した)。 
                    CG化という新しい試みのために、この作品はデビュー作「お豆の半分」以来、もっともわたし以外の人たちに助けてもらった作品となった。 
                    ワープロもあまり打ったことがないというところから、いきなりインターネットをマスターして、CG作品の編集・印刷に挑戦してくれたS編集者はもちろんのこと、このサイトのCGデザイナーのナカシマさんと、当時の知り合いでCG編集・印刷の専門家だったUKさんのプロフェッショナル二人が、わたしの先生となってがっちりとサポートしてくれた。 
                    特にUKさんは、頻繁に連絡をとってくれ、素人の漠然とした疑問や、トラブルに、こまめで密度の濃い対応をしてくれ、リスクの多いプロジェクトの完成に多大な貢献をしてくれた。 
                    Feb.1999 
                    
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