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                  ●プロになって初めてのオールスター作品。アマチュアの時はたびたびこの手の企画をやっており、PALMなども、もともとそういうお遊びから生まれたシリーズ。この「2821」は1978年、作者18歳当時完成の、PALMキャラを使ったオールスター作品で企業物の「ソシアル・ラダー」の配役を、そのまま別のストーリーに置き換えたもの。 
                   この作品は、アマチュア時代から数えて、作者第2作目の反戦物(81年、長男出産後第一作の投稿作品に「架空の線」という反戦物を書いている)でもある。 
                    作者の政治的ポリシーを作品に盛り込むことは、商業レベルでは嫌われがちだが、芸術面からは、アイデンティティーで作品というものが大方構成されていることからも、当然盛り込まれるべきものだ。 
                    ただその表現方法はかなり高等技術の領域に属し、失敗作に終わる可能性が始めからかなり高い。残念ながら、この作品、「架空の線」ともご多分に漏れず成功とは言えない出来。 
                    この作品のもうひとつのジャンルであるブラックユーモアも、わたしは大好きでよく取り入れる手法なのだが(PALMにもよく使う)、日本人の方はあまりこの手のギャグで笑わない、あるいは反応しない、とういうことも作品への感想や実生活(でもよくブラックユーモアを飛ばします)(というかわたしの人生がブラックユーモア)でわかってきている。 
                    また「あるはずのない海」連載の直後に描かれたこの作品執筆時は、「PALMシリーズ」の作品紹介でも書いた通りスランプ時期にも当たり、この作品は「頭で考えて書いた(つまりインスピレーションなし)」作品としても記憶に残っている。 
                    そんなわけで、ジェームスの冷酷なファシスト役、カーターやジャネットの変身ぶりなどが話題の華やかなオールスター・キャストであったにもかかわらず、この話は★ふたつ。 
                    しかしこの作品で行った、作品と政治的ポリシーに関する挑戦は、後のPALMシリーズ「愛でなく」に受け継がれた。 
                    /★★ 
                    Feb.1998 
                    
 キャラクター 
                  ロディ・シモンズ・・・・・・・・・・・カーター・オーガス 
                  コカコーラ・ジンジャン・・・・・・・・アンドルー・グラスゴー 
                  ミハエル・アルフレッド 
                  ジェフ・ウイング・ビダー(二役)...ジェームス・ブライアン 
                  パーピリア・ピピティーパ・・・・・・・ジャネット・カーマイケル 
                  バンビ・ジャコビ・・・・・・・・・・・オクヨルン 
                  バート・オリアリー・・・・・・・・・・ケリー・ロジャース 
                  キャル・デクスター・・・・・・・・・・フロイド・アダムス 
                  ドモン将軍..............ガーフィールド・タルボット 他 
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