作者のデビュー決定直前、「あるはずのない海」のシナリオ段階で誕生したキャラ。世代分類では第三世代(作者15〜22歳までの習作・投稿時代に生まれたキャラクター)に該当する。 
作品の内容に直接無関係な、いわゆる「かき回しキャラ」としては、最も個性と存在感の強い代表格としてシリーズに君臨(?)。秘かな人気を誇っている。 
           
         ●性格 
          日和見、いいかげん、自分勝手、無責任、嘘つき、卑劣。ぐうたら人間の資質を果てしなく備えた、思えば他のPALMレギュラー人と対極的な存在である彼。 
それでもあんなに見切りのいい連中に見切られずに、あるいは見切られてもなおレギュラーメンバーとして登板し続けられるのは、「もしかしたらそんなに悪くない奴かも」と錯覚させる一抹のかわいさと無邪気な遊び心、あるいは軽べつされても嫌われても全然感じない鉛の感受性のなせる技か。 
「邪魔」「迷惑」「いつも奴の尻をぬぐわされる。」のは毎度のことでも、そのトーンやパターンはバラエティに富み、常に新しい発想でトラブルを提供してくれる彼。 
飽きさせないその意外性で、うんざりしつつも心の中で「次はどんなトラブルかな?」と、オーガス家の面々も思わず彼の乱入を心待ちにしてしまうの・・・かも?? 
           
          ●言葉遣いチェック 
          フロイド、フリスと同じく、「ねえねえ言葉」の常習者だが、他のふたりほど熱くなく、まったりとした遊び人風やくざの円熟(?)が感じられる言い回し。 
まれに使うオカマ言葉もマアマア堂に入ってて、おミズの道の才能もチラホラ。 
           
          ●哲学 
          哲学になんか縁のなさそうなシンだが、彼にだって哲学はある。というより彼の存在そのものが哲学なのだ。人は常に同じ間違いを繰り返すものなのか?酒乱や暴力癖はなおるものなのか?アホが真人間に生まれ変わる奇跡は存在するのか?彼の提議する人生の問題は深い。 
          しかし人生の超達人、さすらいの遊び人の彼はそんなささいな問題では悩まない。借金が増える一方だろうが、やくざに追いかけられようが、周囲がとばっちりを被ろうが、その場その場でなんとなくつじつまが合って、ほんの一瞬でも相手が納得し、最悪の事態が先送りできればそれでいいのだ。うまくいけば人生が終わるそのときまで、最悪の事態を先送りすることだって出来るかもしれない。キーワードは「ちゃっかり」。悩むなんて、未熟者のすることサ。(よい子はマネをしないでください) 
○シンの哲学/「まあいいじゃねえか。クリスマスだしよ。」(「クリスマス」の部分は季節や状況によって変えて使う) 
           
          ●感情 
          心穏やかなシンちゃんは、普段はヘラヘラ又は淡々として感情の起伏が少ないのだが、彼に平和を乱されてキレた周りのメンバーに手荒く扱われることも少なくなく、悲鳴や心神喪失の場面が意外に多いキャラ。お目々が渦巻きになったり、点になったり、表情も多彩だ。 
           
          ●頭脳 
          シンが頭がいいのでは、という唯一の証拠はハーバード大学に入学したことだが、卒業しなかったのでこれも説得力がなくなってしまった。それどころか今の生活態度を見ていると、ズルかマグレで入学したんじゃないかと思えてくるからキビシイ。でも知的ゲームの囲碁の愛好者でもあります。 
           
          ●特技 
          忘却。忘れよう。とにかく都合の悪いことは忘れよう。 
           
          ●究極奥義 
          ジェームスをも感服させるオカマの演技 
           
        
          ●嗜好 
          酒乱でおなじみのシンは、もちろん大の酒好き。まあ彼ほど酒の似合うキャラはPALMにはいません。その酔い方も、その日の状態や酔い加減・醒め加減でいろいろらしく、ひどく暴力的になることもあれば、まあまあかわいらしいほろ酔い状態のときもあるらしい。 
          オーガス家にカーターしかいなかった頃は、彼の酒に伴う暴力はカーターにとって深刻な悩みだったが、ジェームスが住み着いてからは、酒はシン自身にとっても災厄を招きかねない魔の水となった。「飲んだら行くな。行くなら飲むな。」 
           
          ●弱点 
          こんなに不人情な彼なのに、時々不必要に人情派になるところが、弱点といえば弱点。まあ彼の弱点で害を被るのは、たいがい彼ではなく他の人だけどね。 
           
          ●人相・身体チェック 
          目・茶、髪・黒、肌・白色。ポマードテカテカのヘア、引っ込んだ顎、いかにも軽率な感じのヘの字まゆ毛が特徴。ふだんはサングラスでよく見えないが、お目々は意外にクリクリでかわいい。身長はカーターと同じくらいだが、ずんぐりとした、本人いわく「ムチムチして色っぽい」体格。 
           
          ●服装チェック 
          サングラスにオールバック、ダブルのスーツの正統派やくざファッション。ペイズリー模様のタイや、太い縞のスーツもおなじみ。きっと腕時計とかはキンピカでしょう。イレズミもこの際ほしいものだが、どうか? 
           
          ●セクシャル・オリエンテーション 
          あのカーター氏のいとこだけあって、生活自体がジゴロ風の彼。いつも違った女の子の家に居候し、女絡みのトラブルも絶えない。ホストが天職という説も。 
           
          ●社会的ポジション 
          彼の社会及び作品におけるポジションは「おじゃま虫」。やや嫌われ者風のキャラであることから「PALMのねずみ男」とも言う。 
           
          ●野望 
          本気かどうか、彼の野望はホワイトハウス、つまり大統領になることで、本人は「徐々に足固めもしている」とジェームスに打ち明けている。真意のほどは定かでないが、その分裂症的適性からか、「PALMの中で国家元首になれる資質があるのは彼だけ」とも言われている(関口さんが言いました・・・)し、ますます心配ですね、大国の未来・・。 
           
           
          ●仲良しは誰? 
          楽しく遊べる関係で、なぜか誕生日も一日違い、大統領への野望達成のパートナーに誘ったことさえある、ということで、一番の仲良しはやはりジェームスだろう。趣味の囲碁の対局相手になってくれる他、シンが酔っぱらったときは、きちんと戸棚に片づけてくれたり、かいがいしくシャワーを浴びせてドライヤーで髪まで乾かしてくれる。度の過ぎた態度に出ても怒るどころかやさしくキスまでしてくれるジェームスは、シンにとってこの上なくよいアニキと言えよう。 
           
          ●ちょっと失言 
          「まあこの際世界を広げてみっか!もう80年代だしな。」  
          広げてください、広げてください。 
           
          ●お歳はいくつ? 
          いとこのカーターより3歳年下、アンディとは干支で一回り(12歳)違う。あのティットとは同い年。 
           
        
          ●占いデータ 
          天秤座太陽宮、月の位置魚座、ライフナンバー6、ウサギ年生まれ。天秤座と魚座のコンビネーションは、プレイボーイの出やすいパターン。ライフナンバー占いでは6の悪いタイプの見本となっている。 
           
        
          
          
        ● 
         PALM 
月の猫 
金銀熊鮫 
         
         シンはかき回しキャラなので、PALMにも2話に1回の割合でしか登場していない。今のところ「スタンダード・ディタイム(1)」、「星の歴史」、「愛でなく」がシンちゃん不在のエピソード。大抵作品がシリアスになるときはいないと言われている。 
          「金銀熊鮫」では、酒乱を生かして熊男と鮫男の父親為造役、「月の猫」ではなぜか警官役であった。  
           
          ●ファースト・キャラ? 
          実はシン・ギャラガーは、獸木のデビュー作「お豆の半分」の冒頭で最初に登場したキャラクター。そのためか、当時彼は一部で作者ではないかと言われていたらしい。 
PALMがすべて終了したとき、もし全部のキャラクターがアピアランス順にクレジットされたとしたら、彼が一番トップになってしまうわけだ。一生作家プロフィールに書かれてしまうデビュー作のタイトルや、滅多に変えられないペンネーム同様、初登場キャラも慎重に選ぶべきだったかも・・・
 
2002年9月12日  |