●「午前の光」に登場し、J.Bにいじられていたローダ・キャラハンの部下のFBI捜査官。
キャラクターのモデルで、名前もそのまま提供してくれたジョッシュ・バーンズは、2004年に獸木の友人最年少記録を作った、息子タスクより2ヶ月年下のオーストラリア人である。
2000年の末にオーストラリアから帰国してタスクが独立した後、知り合いのいない日本で今までの人生の中でも最もアイソレイテッドな時期を経験していたわたしは、2003年からわけあってタスクと1年以上ほとんど顔を合わせることができず、さすがに追い打ちをかけられた状態だった。
そのときいかなるタイミングの一致か、たまたま獸木のかつて住んでいたメルボルン周辺出身の、タスクに近い世代のオーストラリア人の面々と知り合うことになり、その代表格がこのジョッシュである。
このいきさつと、彼とタスクが同い年なことから「オーストラリアの息子」「日本のかあちゃん」と呼び合う他に、「Cado」「Noggi」という意味不明な(実はオーストラリアン・フットボール式ニックネーム)(Noggiが獸木ですネ)コードネームを使う仲のこの若い友人は、獸木のギャグへの反応が最もすばらしい相方兼オーディエンス(?)でもある。
獸木がボケてみせたときの切れのいいツッコミもさることながら、ジョークの受け方のすばらしさと言ったら正に世界一。
セリフ以外は似ていない獸木のアル・パチーノの物まねに、ジョッシュが床にひざまづき椅子を連打して受けていた瞬間に、わたしは自分のコメディアン人生(?)のハイライトを感じたものだ。すごいぞジョッシュ。そんな観客を待っていたぜ。
ジョッシュの日本滞在中に孫(タスクの子)が生まれ、ジョッシュと共に行ったお宮参りで会ったのを最後に、その子に二度と会えない運命となったことも何か感慨深い。
ジョッシュ自身も親御さんが8歳で別れ、わたしやタスクに似た境遇なので、ガールフレンドや結婚のことで明らかに不必要なアドバイスをしてみたり、かつての獸木のように作家志望の彼にエージェントに作品を送れとせっついてみたり、今もランダムに親ぶってはいるが、もちろん「午前の光」の献辞に出て来た「ふたりの(血のつながった)息子に捧ぐ」のふたりはタスクとこのジョッシュのことではない。
ジョッシュとの公式な関係は「養子(または誘拐)により縁組みされた息子」ということになっている。みなさんは特におかしくないだろうが、これもジョッシュとわたしの間ではかなりウケているジョークなのである。
/Aug.2006