【ベロ】 | あぁ! A面の「キャデラック」って、ロッカーズがやってた曲だぁ!
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【山善】 | お、お・お、俺達の曲たい!!(笑)
ロッカーズが俺達の曲を出したったい。
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【ベロ】 | そうでしたね。出来上がりはどうでした?
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【山善】 | う〜ん。ちょっと品良く出来上がったね。初めてのレコーディングやったけん、ちょっと緊張しとったのもあったし。
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【ベロ】 | えぇ! これが初めてなんですか?? 意外。
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【山善】 | いや、これよりも5〜6年前に徳間からデモテープをとったけど、世に出らんままやった。
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【ベロ】 | それって、今発売されたら凄いですよね。
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【山善】 | うん、そうやね。東京の誰かもっとろうや。
……、次に出したのは、デンジャー。
少しメンバーが変わって、ドラムは角野。ベース・穴井と、ギター・板東はそのまま引き継いで。3ピーで、コンパクトに…。
こんときは、もう、ハイテンション! のぼせあがって、大喧嘩で(笑)、もぉ…。気持ちが入りすぎてさ、声がでらんやったりしたけど、パワーは凄いね。
バンドとして一番、熱いもんがある!
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【ベロ】 | ジャケットのイラストは山善作ですね。これ以降、山善のイラストを使用するのが定番になってますけど…。
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【山善】 | そぉ。これは、ボーダーラインの甫足さんが「書きんしゃい!」(笑)。で、あっというまに書いてしもうて…。
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【ベロ】 | 山善がよく書く爆弾マークがここにも登場してますね。私、山善の書く爆弾のイラスト好きなんですよ。
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【山善】 | 最近、よぉー『ダイナマイト・バーゲン』とか『ダイナマイト・セール』とかいうて、みんな使いよろうが。パクラれとぉ(笑)、ち思うね。
で、このジャケット見てMODSの森山が俺に連絡してきたっちゃんね。
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【ベロ】 | それで、MODSのJUKE JOINTのジャケットを山善が書くことになったんですね。凄い。原画は自宅に飾ってましたよね。あれは貴重ですね! ください!
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【山善】 | え?。東京に送ってから、そのまんまやけん持っとらんよ。
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【ベロ】 | でも、以前、ビデオ撮りに山善の家に行ったとき、額に入れて飾ってる油絵を見ましたよぉ。
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【山善】 | あぁー、あれは油絵じゃないとっ。 JUKE JOINTのアルバムに色塗って、そのまま額に入れとぉ〜と(笑)。
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【ベロ】 | (笑)。
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【山善】 | 原画はないとっ!(笑)
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【ベロ】 | まぁ、何はともあれ、甫足さんのひとことでジャケットデザインもやるようになったわけですよね。
今、山善が個展を開くまでになったのも、ジャケット制作が原点ですか?
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【山善】 | そうね…。原点やね。
そういえば、これに入っとぉ「グットバイ ママ」は森山がソロアルバムに入れようと言よった曲たい。
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【ベロ】 | あぁ! ほんとですか! 入れたんですかぁ!!!!!!!!!!!
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【山善】 | い、い、入れてない、入れてない(汗)。・・・。
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【ベロ&山善】 (爆笑)
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【山善】 | 音はとったっちゃけど、入れてないったい。はがいかろうばってんたい(笑)。
で、デンジャーを出してキャイ〜ンとなって(笑)、バンドを解散して一人でしよったとき、ルースターズのマネージャーから話がきてさ、 NATURALLYを出すことになったね。ヒーコンスタジオの石橋がメンバーを見つけてくれてさ…。このアルバムは、いろんなミュージシャンが参加してくれてできあがったね。その後ずっとBANDやることになる曽我が初めて参加したし…。
リズム隊は3パターンおるし。ティーネイジニュースの平山もおるし・・。
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【ベロ】 | ということは、BANDというより、山部善次郎のアルバムと考えていいんですね。
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【山善】 |
そうそう。「おぉ! 山善のソロアルバム」ってかんじやね。でも、石橋が頑張ったアルバムと思う。アレンジの面とか…。これ、大人に一番評判がいいもんね。俺も、今でも好きだし。
そうそう、タイトルやけど最初「Home made」ちつけとったったけど柏木さんが「NATURALLY」にしょうと言うことで決まったね。
…で、次がCRAZY TOWN。山善が順調に行きようけんちいうとこで、キャプテンレコードで働きよった元アクシデンツの後藤から「山部さん、せんですか」ということで、時々いっしょにやりよったメンバー、行徳・曽我・正木・俺、司…5人、それとキーボードの石井でレコーディングに入ったわけ。
これは当時のYAMAZEN BANDの代表的バンドサウンドやね。
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【ベロ】 | 山善は、アルバムを出すたびに、メンバーを集めるというパターンですね。固定したメンバーは作らなかったのですか?
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【山善】 | こんときまで、まったくなかった。すぐキャイ〜ンちなって、愛想つかれてから(笑)。けど、こっからやね。こんときまとまったね。
このBANDは長く続いたし。
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【ベロ】 | 「CRAZY TOWN」というタイトルにしたのは?
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【山善】 | 世の中、むちゃくちゃになってきとおし(笑)、それで「クレイジータウン!」と(笑)。
こんとき、やっぱ自分の事を歌わないかんと思って「6600V」を歌った。
・ ・。そして、今度はメジャーから。企画もんで「本位じゃなかろうばってん、人の曲を山善流に料理してロックの命を注いでくれ」ち言われたのが「山善フォークジャンボリー」。井上揚水やら泉谷しげるやらのカバーをしたったい。
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【ベロ】 | プロデューサーは誰ですか?
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【山善】 | これも柏木。このとき初めてプロモーションビデオも撮ったしね。天下のメジャーからやったから、露出が激しかったね。ばってん森山からメチャクチャ言われた(笑)。
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【ベロ】 | どういうふうに?
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【山善】 | 面と向かって 「フォークのアルバムやら出しやがって」ち。(笑)
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【ベロ】 | それは愛情ですよ(笑)。
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【山善】 | それは、ちゃんとわかっとぉ(笑)。
・ ・・それで、この時期にDOLILLの秘蔵の曲をエジソンレコードのKing of the Worldから「ルーツ オブ パンク」を出したわけよ。
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【ベロ】 | えぇ、ということは1970年代の音源ですよね。
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【山善】 | そぉ。あーたが大好きな1970年代の音たい。ほんと当時YAMAHAのアビーロードスタジオで2トラックくらいでとったテープ。DOLILLのオリジナルメンバーの音やん。
これが京都で結構評判になっとったね。
そしてぇ、「CHAMELEON MAN」。こんときドラムが河島に変って、ギターも曽我から熊谷にかわったね。
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【ベロ】 | このときCMソングのタイアップがありましたよね。
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【山善】 | そうね。俺がニューヨークに行っとぉ間に、知らんときに決まとったちゃん。
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【ベロ】 | 「CHAMELEON MAN」のテーマは何ですか。
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【山善】 | 「生まれ変われるチャンス」。聴いてもらえればわかる。
バンドサウンドはハードロックありレゲェあり、ソウルあり。色で言えば赤、青。黄色、いわば俺がカメレオン。いろんな色が入っとって、聴く人を、いろんな俺の世界に引き込もうと。
で、この頃に一人でもデモテープを作っとったたい。
それが「TROUBLE MAKER」(笑)。ぶっとび。めちゃくちゃ(笑)。まるまる決めっぱなし(笑)。
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【ベロ】 | 一人で? バックバンド無し?
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【山善】 | バックバンドは曽我と、・・・俺ぐらい(笑)。
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【ベロ】 | かっこいいじゃないですか(笑)。
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【山善】 | 自分でもタイコたたいたし。めちゃくちゃ。リズム狂っとぉもん。
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【ベロ】 | かっこいい(笑)。 あぁ! 「JUMPING JACK FLASH 」が入ってる!
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【山善】 | 凄いよ(笑)。ぜんぜん、ほんと、もぉ。テープをそのまんまCDにして。めちゃくちゃやもん(笑)。狂っとぉまんま(笑)。
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【ベロ】 | 山善だからできることですよ。山善かストーンズか!って感じですよ。
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【山善】 | 「よぉ、出したね」て言われたもんね(笑)。
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【ベロ】 | でも、満足してますよね。
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【山善】 | まぁね(爆笑)。そんときの状態が出とぉアルバムやね。
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【ベロ】 | いいんじゃないですか(笑)。
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【山善】 | で、次! はよアルバムを出したいわけよ。もぉ。
昨年とった「少しだけ優しく」ちいうのがあるんよ。雰囲気をガラっと変えたジャージーなやつ。
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【ベロ】 | そう言えば、BeatMaxの松本さんと会ったときに「山善はロック以外の曲を歌わせても最高と思う」って絶賛してましたよ。
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【山善】 | あぁ、ほんとぉ。
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【ベロ】 | UN PLUGGED だしましょうよ。真剣に。
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【山善】 | そぉね。真剣にね。出したいよね。
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【ベロ】 | 次のアルバム用として曲作りをやってますか?
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【山善】 | 曲はあと2枚分くらい、あるとよ(笑)。出らんだけやん。糞詰まりやもん(爆笑)。ちょっと企画しちゃらんね(笑)。
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