邦楽より洋楽に興味を抱くマセた小学生だったのは家族の影響から。
でも、父が聴いてたクラシックは鼻っから関心は無く、兄が好きだったBeatlesは私にとって物足りなかった。
ある日、ボーイフレンドの家でたまたま見かけたザ・ローリングストーンズのアルバム。なんだかヤバイBANDらしい。早速聴いてはみたが、当時の私にとってStonesの曲は難解すぎ。正直言うと理解できなかった。
でも、なんだか気になるバンドだ。
「ルックスもまあまあだし、このバンドを好きになろうかな」と決めた(!)。そう。最初に「好きになろう!」と決めてから友人といっしょにレコード店にアルバムを買いにいったのだ。最初は、なんだか変な感じで始まったストーンズへの愛だったが、Stonesを好きな(ふりをしている)自分が気持ちよかった。
ただ、音楽雑誌に掲載されたStonesの写真を見つけるたびに、恋心は募っていったのも真実。ボーカルが、なぜか気になった。ま、めちゃくちゃ好みだったのだ。そんなミーハーな理由だけで、かろうじてStonesファンとして生き長らえていたのだった。(^^)
そんな私に転機が訪れた。 それまで両親の厳しい教育方針と過保護による束縛の日々を送った反動か、大学生活で手に入れた自由を満喫する中、博多で活躍するバンド達と出会うこととなる。既に解散したバンドもあったが、サンハウス、モッズ、山部善次郎、シーナ&ザ・ロケット・・・。彼らは海外の良質なサウンドをセレクトしてはライブを通してオーディエンスにショックを与えていた。わたしは彼らの音楽の虜になり、幸いにも、これによって私の音楽的嗜好の基本形が形成された時期となったわけだ。
当時、大好きになったバンドマンだった彼の影響も大きかった。
彼の口からブリティッシュロックの世界やStonesの影響力について語られるのを耳にするたびに、音楽の素晴らしさやStonesの存在感の凄さを実感していった。NHKで「ヤング・ミュージック・ショー」が放映される日は、どこにいようとも彼の家に集合して、ブラウン管の中の音楽やミュージシャン達の発言に耳を傾けた。 そんな生活を送ることで知らず知らずのうちにブリティッシュ・ミュージックに感化された私は改めて、自宅で休眠状態だったStonesのアルバムを聴きなおし、ついにはStonesの音楽を心から感じることができたのだ。
●Stonesの虜
正々堂々とSTONESファンを名乗れるようになってからの、ある日の夏。1冊の本と出会った。 初版は1975年7月30日に発売された「ミック・ジャガー」。
1960年代のSTONESの最も濃い時代を綴った「伝記」。著者は1960年から70年代前半にSTONESのメンバーと近しい関係にあったアンソニー・スカデュト。この本の内容を話し半分に解釈したとしても凄すぎる内容。ブライアンを追い詰めていくミックの姿や、マリアンヌとミックの関係、そして別れ…。バンド・メンバー間の均衡関係、ドラッグ・乱交が日常のごとく表現されており、若かりし私は濃厚なストーリーに「STONESって、スッゲーーーーーー。」とオノノイタものだ。
そして、その衝撃は私を一撃していた。
その日以来、STONESの事をもっと知りたくて県内の書店はもちろん、旅行先でも必ず本屋に出向きSTONESの本を買いあさった。 そして。読めば読むほど、STONESの魅力や恐ろしさを知ることなり、いつしか虜になっていた。
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