オーストラリアの野犬「ディンゴ」の血を継ぐケルピーと、狼の血を濃く引くシェパードの混血のルビーちゃんは結構ワイルド?
Photo/Yasay Kemonogi


ケルピーってどんな犬?

この動物分室の、「獸木さんちのルビーちゃん」のページを読んだ人は、「ケルピーって何?」という疑問を抱いたと思うけれども、飼い主の獸木も、本物のケルピーはルビーを飼うまで見たことも聞いたこともなく、飼った後もなかなか情報が少なくて、しばらくはどんな犬かわからなかったのでした。
ペット屋でちらっと見たマグカップの写真のケルピーが、耳の曲がった黒いボーダーコリーのような犬だったので、しばらくはそういう犬と思い込んでいたのだけれど、のちに本物を見たり、特集した雑誌を手に入れる機会があって、ようやく実態がわかってきたので、リポートしてみます。

 

正式名称 オーストラリアン・ケルピー(Australian Kelpie)
ルーツ 短毛のスコティッシュ・コリー、ディンゴ(!)、ボーダー・コリーなど(本によって記載が違うのでその他色々なのでしょうが、ディンゴとコリーの系統はまちがいなく入ってるようです)の掛け合わせによって、1800年代にオーストラリアで生みだされたブリード。
用途 牧羊犬
サイズ 46〜50センチ、体重14キロ(柴犬くらいのサイズかと思います)
性質 非常に賢く敏捷で活動的。熱狂的なゲーム好き、また「死ぬほど飼い主を愛する犬」としても知られている。
毛色 ブラック、ブラック&タン、レッド&タン、チョコレート、スモークブルー


ルビーちゃんのサイズ比較図(タスクくん比)。メスのシェパードの大きさである

本物ケルピーのサイズ比較図(座ってる獸木比)

とある農場の引退したケルピー。ヨレヨレになっても人懐っこく、みんなのアイドル
/知人撮影
と、まあこんなところです。
サイズが46〜50センチとありますが、シェパードが55〜65センチで、ケルピーとジャーマン・シェパードの混血うちのルビー・ブラックが60センチなので、ケルピーはサイズ的にはわりとコンパクトだと思います(でもってルビーはシェパードのメスと同じくらいの大きさです)。

「死ぬほど飼い主を愛する犬」ケルピーは、わたしの経験では、飼い主のみならず他の人間や犬にもかなり熱狂的にフレンドリーです。飼い主以外の人間にあまり興味がないといわれるブルーヒーラーなどと比較して、牧羊犬の中でもペット向きと評価している人もいました。

ハイリー・インテリジェントで名高いケルピーですが、その賢さは例えばジャーマン・シェパード風の、どっしりした「おりこうな犬」というよりも「目から鼻に抜ける」、いわゆる「回転の速い」賢さです。
楽しんでできる芸などは、恐ろしい早さで覚えますが、興奮しやすく敏感な性質のためコントロールが難しいこともあり、訓練なども、好きなおもちゃなどを使って遊びながらしたほうが、集中できるようです。

またケルピーは、ものすごく運動量の多い犬としても知られており、都会で飼えない犬の代表格となっています。
わたしの持っているジャーマン・シェパードの本には、「ジャーマン・シェパードはかなりアクティブな犬で、ジャーマン・シェパードより運動量を必要とするのはケルピーとキャトルドッグを含む3種くらい」という記載があったので、うちのルビーは少なくとも世界で4本指に入るアクティブ・ドッグ2種の、恐怖の掛け合わせということになり、犬の運動に飼い主が振り回されるのも(「獸木さんちのルビーちゃん参照)、もっともなことなのでした。


蛇足:
ケルピーの、見開き2ページの特集目当てで犬雑誌を買ったわたしに息子いわく、「お母さん、それは俺が2パック(ラッパー)が1ページ載っているからって音楽雑誌買うようなものだよ。」

<1999年8月/獸木野生>


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