泣いたカラスが
笑いすぎ!?
【03】What's going on!?
 


はじめまして。私は都内に住む30歳公務員です。
PALMを初めて知ったのはウィングスの創刊号の時からです。その時は表紙の「ファルコン50」に引かれて買って、後はそんなに気になる作品がなかったので何気なく読んでいました。
でもその中でPALMは他の作品とは違う雰囲気を醸し出していました。
最初は人間関係がイマイチよく分からず、ジェームスとアンディが離れると何でおかしくなるのかとが分からず、ちょっととっつき難かったです。
けれどキャラクター達の個性や言葉のやり取りは実に面白く、下手なギャグ漫画を読むよりずっと面白かったです。

何度読んでもその作風は飽きる事無く、私のベストセラーのトップ3に入っています。その証拠にPALMシリーズは何度引越ししても捨てる事無く今も持ち歩いています。(1巻の値段はまだ消費税の表示がされていません)
ウィングスやPALMの発売日には、学校帰りに本屋によって必ず買っていました。本屋にない時は、本屋のオバちゃんに新書館まで走って取りに行ってもらったぐらいです(その本屋は新書館のスグ近くだったので)。ウィングスが隔月だった頃は、待ちどおしくていつも次がどうなるか楽しみで楽しみでしょうがなかったです。

あれから連載を続けて作品にも大分重みが出て、ただ面白いだけではなく深い意味を毎回感じさせて、ただの漫画というだけではなく作者からのメッセージを感じるようになってきました。
大抵の長期連載物は長くなるとキャラクターに頼って作品の質が落ちてしまうのですがPALMに限ってはそんな事は全然感じられません。
それどころかどんどんテンションが上がっていくような強烈な個性が好きでたまりません。
自分もあのPALMの世界に入って、ジェームスやカーター達と一緒に暮らしてみたいと何度思ったか分からないぐらいです。
PALMを読み始めてから随分経ちました。ウィングスも当初の感じから随分変わってしまって、もう買う事はおろか立ち読みすらしなくなってしまいました。
今ではPALMの単行本が出るのを楽しみにするだけです。
気が付けば年上の命日を通り越して今日に至ってしまいました。それでも私にとってPALMは今も楽しめる一冊です。

獸木さんもお身体に気を付けて楽しい作品を作り続けてください。
長々と私信にお付き合いいただきありがとうございます。それでは失礼しました。
<お名前不明さん>
   ○大切に読んでいただいて、本当に感謝しております。いつまでも入魂の作品を書き続けられるよう、心身の健康に気をつけてがんばります!

 


「ルビー・ブラック」の感想

獸木先生、こんにちは!お伝えしたいことがありすぎていつもまとまらず、作品についての感想を今まで送れずにおりましたが、今日はルビー・ブラックの感想を書かせていただきますね。
「ルビー・ブラック」は友達に借りて読みました。あの雑誌に獸木先生の漫画が載っているのを全然知らなかったのですが、そのときコンビニで棚卸しの仕事をしていた友人が見つけてわざわざ山形からもってきてくれました(私が住んでいるのは宮城、それもあと5分あるくと太平洋!彼女は大学時代、私にPALMを勧めてくれた運命の人です)。
  前編、後編、両方を繰り返し読みながら、何度も泣きました。先生の作品全てに共通する感覚なんですが、悲しいわけではなく、ただ、とても切なくなるのです。これは、「愛でなく」でルージュメイアンがカーターに語った言葉、「悲しいから涙がでるのじゃない、あなたを心から愛しているからなのよ」に、とても近い感覚ではないかと自分では思っています。(ものすごく好きなシーンです。読む度に泣いてしまう。)

ルビーちゃんのけなげさにもじんと来たのですが、特にぐっと来た場面は2つありまして、一つは前編のラスト、ブラック・ワイルドが
だが残念だろう。おまえは人間に強く正直で潔白であってほしいのだ」と言うシーン、もうひとつはヒューゴがルビーに「あなたはそんなことしないわ」といわれて返した言葉です。
「今はしないだろうが最初からそうだったわけじゃない。それが人間というものだ(中略)大きな岐路に立たされたときに(中略)正しい決断をするのは、いつでも誰にとってもとてもとても難しいことなんだよ

私は自分の失敗を気に病む質で、失敗からしか学べなかった多くのことがあるにもかかわらず、いつまでもくよくよとこだわってしまいます。今より正しい判断が下せる人間になりたい、失敗から学んで今度こそ間違わない決断をしたい。
でもやっぱりそれは難しく、思慮が及ばなかったり利害を越えられなかったりしてまた失敗すると、かなり落ち込んでしまっていました。だから私にとって上記の言葉はメガヒットでした。
先生の作品には、人間に対する厳しさと寛容さ、情愛がにじんでいます。本当に、どれほど勇気づけられるかしれません。獸木作品を貫くこの色彩と誠実さが、人の心を深く捉えるのだと思います。多くの人々に喜びを分け与えられる人はそういません、どうか御身を大切になさって、そして素晴らしい作品を是非また私たちに見せてくださいね。それでは!
<匿名希望さん>
   ○ありがとうございます!失敗は成功のもと、お互いがんばりましょう!

(上記までのコメント/2000年3月更新)


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