・大長編でありながら環状に繋がるストーリーで知られる、3人の主人公の生涯を中心に20世紀を描いたクロニクル。

・ジャンル不詳。マンガ研究者のヤマダトモコは「日本の漫画系統図のどこにも属さない」と分析している。

・複雑怪奇なストーリー展開、各エピソードごとに変わる視点、個性的で多様なキャラクター、会話劇的シナリオワーク、独特のユーモアなどが特徴。外国映画風とも言われる。

・作者の獸木野生は1974年（14歳）アマチュア時代にPALMのメインキャラクターをデザイン、元となったストーリーを描き始め、1983年（23歳）にデビュー、デビュー一作目から、現在（2015）まで30年、アマチュア時代から40年以上、この話を書き続けている。

・作者は作家のカート・ヴォネガットに影響を受けており、政治や社会に対する考え方を作品に反映するスタイルを持つ。
PALMの中では環境、反戦、人種などの問題が普遍的テーマとして扱われる。

・主人公のジェームス・ブライアンは、スーパー・パワーを持たないスーパー・ヒーロー／現実にいる人間がもし天才的頭脳と体力、そして強い精神力と徳を持ち合わせて地球を救うとしたら？という着想で生み出されたヒーロー。

・メイン・キャラクターたちは一様に強烈な個性の持ち主。総じて高低差の激しい人生を歩み、過酷な運命に直面しながらも、大人になってもピュアな心や、妥協を知らない強さや高潔さを持ち、自分の生き方を貫き我が道を行く。

Illustration, left: From the LP jacket of “Original sound creation - PALM”/Columbia/1986

Feb.2015 Nov.1997