●PALM第0話・パイロット版/お豆の半分は、デビュー作の「お豆の半分」と「お豆の半分・それからどうした」と、この「PALM/お豆の半分」でワンセットとなっている。
この作品ははPALMシリーズの基本スタイルのひとつである初の探偵物で、初めての連載作品でもある。
引き続き予告編的エピソードで完成度は低いが、キャラクター紹介的な構成で、キャラの個性も後期に比べて単純に描かれており、結構楽しめる。
/★★★
制作エピソード/
この作品で、PALMのシリーズ名が初めて決定。それまでのPALM作品は、アマチュア習作も含めて、主要キャラクターの頭文字を取って、「JACSin+タイトル」と作者は呼んでいた。
「PALM」はこの「PALM/お豆の半分」の中で、カーターが言った「アメリカという国はどこにある?誰もが椰子のように海を渡ってここに流れついただけなのに」というセリフと、PALM主要キャラのルーツとなった作者小学生当時の習作(とももちろん呼べないが)「やしの木物語(これはアフリカ関係の話で、PALMでアンディがアフリカ育ちだったり、ジェームスがのちにアフリカに行ったりすることとまんざら無関係ではない)」から取られている。「手のひら」という意味もあるが、これはあとで読者の人などに教えてもらったことで、当時の作者は知らなかった。
本作品は3回に分けて雑誌ウイングス誌上に連載されたが、連載の割当ページ数が限られていたため、オープニングのシュミット博士とジェームスの会話シーンや、エンディングのアンジェラがジェームスに発信機の存在を指摘するくだりなど、いくつかのエピソードは連載後加筆され、単行本に組み込まれた。
この作品の連載中に、雑誌は隔月刊から月刊化となった。
Feb.1998
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