●「あるはずのない海」発表後、探偵物路線への回帰を試みた失敗作。
キャラクターの変化など見どころがないわけではないが、シリーズ中でもかなりテンションの低い出来。
/★★
制作エピソード/
この作品も、「あるはずのない海」シナリオ完成のさらに前の1982年4月に、すでに習作が完成していた。実はアマチュア作品ながら、特殊なサイズ(投稿を中止していたので、縦横の比率が規格と全く違う、真四角に近いサイズで実験的に描いていた)にグレーのインクなどを用いた特殊な技法で描かれたこの習作版の方が、まだテンションが高い。
一度出来上がったものを、一部キャラクター設定を変えて描き直すだけだったから簡単に思えたが、「あるはずのない海」以降、「2821コカ・コーラ」からこの「スタンダード・デイタイム side1」、続く「スタンダード・デイタイム side2」にかけての、プロになって今のところ最初で最後のちょっとしたスランプのさなかで、妙なくらいいやいや描いていた覚えがある。
また、それまではひとりで描いていたが、この作品の連載後半くらいからアシスタントさんにベタとトーンを頼むようになった。
Feb.1998
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