●発明家未亡人と、亡き夫が残したロボットをめぐるSFコメディ。 作者15歳当時・1976年2月完成の投稿作品「ワイルドリィ・ワイルドリィ」の準主役、ケリー・ロジャースのために新しく創作された話。
この話は雑誌未掲載。新書館にPALMを持ち込んだ当時、作者は他の出版社への投稿を同時進行しており、デビュー後もしばらく持ち込みなどを続けていた。この話は実は単行本掲載前、ある大手出版社の預かり作品になっており、それをデビュー後最初のコミックス「お豆の半分」が出版される時、作者本人の思い付きで不足ページを埋めるのにちょうどいいからと預け先からもらってきて、単行本に組み込んだもの。
また記録によると、この作品の製作過程には、「トレース」という段階があったらしい。
わたしは下絵の前にレイアウトと自分で呼んでいる、一般のコンテに当たる作業をするのだが、ご存知のようにシナリオを書くので、一般のコンテと違ってこれにはキャプションが入らない。だから出版社は下絵の段階で内容をチェックするわけだが、この初期の作品はおそらく没になる可能性を見込んで、人に読める程度描き込んだ、原稿サイズのレイアウトを用意、OKが出てからトレースしたものと思われる。
軽い話だが、ロボットというはまり役での、ケリー・ロジャースのポップなキャラクターのおかげで、ちょっとしたお楽しみ作品になっている。
/★★★
Feb.1998
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