ローダ・キャラハン
Rhoda Callahan
PALM-Main -2
●所属作品/PALM
●分類/おじさんキャラ
●名前/本名 ローダ・キャラハン Rhoda Callahan
名字があのダーティ・ハリーと同じことから、主にハリーHarryの愛称で呼ばれている。
●性別/女性(一瞬性別の項目そのものの削除を考えましたが・・・)
●職業/FBI特別捜査官

ローダ・キャラハンは
PALMが第8話の「午前の光」にもなったときに突然現れたキャラだが、そのルーツは非常に古い。
あのビアトリスがカーターたちと共に誕生し、まだビアトリスという名でなかったころ、彼女の妹としてデザインされたグロリアという名前の黒髪の女性キャラがこのローダ・キャラハンの原型で、大体作者11〜12歳当時の誕生となる。
当時は金髪美女のビアトリスに対して、おとなしい黒髪美女という設定だったが、双璧をなす獸木の二大美女タイプの片方であることは間違いない。

ローダ・ハリー・キャラハン登場のいきさつは少々込み入っている。
獸木のTHE WORLDの短編に「ルビー・ブラック」というのがあるが、まったく同じタイトルで女刑事もののシリーズ(主人公が生物学的には女性なのに性格や行動パターンが完全に男性という設定)の企画が、ちょうどTHE WORLDが企画されていた頃にあった。
数年後にはもちろんそんなシリーズに取り組んでいる時間はないことが明白になったが、そのときの主人公がちょうど「午前の光」のFBI役にぴったりだったのである。
またローダ・キャラハンという名前は、PALM第9話の「蜘蛛の紋様」に登場するかも知れなかった、カーターの病院の上司の名前として用意されていたものだ。

●性格
女性版フロイド・アダムスとされるローダ・キャラハンとフロイド本人の性格にはほとんど違いがない。作者は「午前の光」序盤ですでにフロイドをエピソードに登場させたことを後悔したが(まったく出る幕がなかったので)、本当に同じ人間がふたりいるようだった。しかもフロイドに輪をかけたオヤジ体質で、あのフロイドが常にやや遠慮気味だった。

だがもちろん、このローダ・ハリー・キャラハンのキャラを決定づけているのは押しの強い性格どうのこうのではなく、その設定だ。
彼女は性別そのもの以外が、完全な男性なのである。単に男言葉でしゃべり、腕っ節が強くて荒っぽいだけでなく、駆け引き乱用の仕事ぶりから、ぞんざいで無神経でセクハラ含みの異性へのスタンスまで、すべて、何もかも、終始一貫徹頭徹尾、男(しかもオヤジ)なのだ。

こういう特異なキャラの場合、読み手の反応もいつも以上に興味深い。
女性読者にはたいへん人気を博し、男性にはその真逆だったが、考えてみれば女性にとっては美形で今時めずらしく押しの強いかっこいいお兄さん、男性にとってはなにもかも自分たちな上、けむたい上司みたいなこわもてオヤジなのだから、当然と言えば当然かも?

●服装チェック
普段はFBIのジャケットなんかを着てるだけの彼女だが、一応お役所勤めなので上司と会うときには女物のスーツを着なくてはならない上、FBIの潜入捜査で女装する必要もたびたびあるらしく、案外頻繁に女のいでたちで登場していた。
しかし、いやいややっているにしては回数が多すぎる上、不必要にセクシースタイルな女装の時もあり、カーターとジェームスに「お前らほんとはこの格好イケてると思ってるだろ。」と暗に褒め言葉を催促するなど、実は女の服を着るのが好きなのではと思えるふしもある。変身願望か?

●哲学
彼女が少しは女性なところを感じるのは、かなり徹底したフェミニスト(男女同権主義者)であるという点だが、彼女が今更フェミニズムを意識する必要がどのくらいあるのかは正直疑問だ。
エプロンをして料理をしなければいけなくなってグチってみたときも、フロイドに「男女同権の時代なんだから仕方ねえだろ。」なんて、もう地球の磁場もすでにムチャクチャで大陸が全部水没してそうなツッコミをされていたし、上記のようにマメに女物の服をまとってコスプレを繰り返しても変装としかみなされないばかりか、ジェームスには「女装のオカマと話している気分」とまで言われていた。

●セクシャル・オリエンテーション
こう見えてもストレートで、常に料理ができる男性を求めている(刑事もの「ルビー・ブラックでは、新しい部下が入ってくるたびに「お前料理できるか?」と尋ねるという設定だった・・・)。
しかもセリフの端々を総合すると(眼鏡をかけた)インテリタイプはキライで、自分よりきゃしゃな痩せた男性もターゲット外で、結局ジェームスみたいなガテン系(?)が好みらしい。
古典的男性の彼女には「恋愛」という観念もないらしく、セックスはエレベーターやトイレ内で手短に済ませるのが理想のようだ。病気と相手の妊娠に気をつけてネ。

●人相・身体チェック
肌・白、髪・黒、目・緑。女性キャラの中では非常に大柄だ。フロイドは「スーパーモデル」とかよいしょしてくれていたが、ジェームスに女装のオカマと言われたのも、でかいからだろうネ。

●生活態度チェック
バーで猥談を飛ばし、ツバを吐いて、人前ででかい屁をこけなきゃこの仕事は勤まらん。」とジェームスに言っていましたが、本当にやっていそうです。
(ちなみにジェームスは「じゃあボクには無理かな。」とつぶやいていました)

●仲良しは誰?
フロイド以上に回りに引かれ気味の彼女だが(何しろ人間関係に熱いジェームスにまで引かれていた)、そのフロイドとは同一人物のよしみで仲がいい。というかあのフロイドが誰に対してもちょっと見せたことのないような独特の優しさと気遣いと一抹の畏怖を見せている。
何か生まれてはじめて鏡を見せられた野生動物のような、戸惑い気味のリアクションであった。

●そこまで言うか
○(ちょっとセクハラ抗議をしてみたジェームスに)「石器時代から女はセクハラの被害者だったがセクハラという言葉が発明されたのはごく最近だ。
男がそれを口にするのは百億年早いぜ。」

○(ジェームスが好みなのはミーハーだとフロイドに指摘されて)「悪いか?奴のボスもあんたも入れあげてるのに、
女の俺がムラムラきたっておかしかねえだろ。」

念のため、彼女のセリフはオーガス家に来た当時のアンディのように価値観がひっくりかえっているから衝撃的なだけで、上記のセリフなども、彼女にしては特に過激な部類ではありません。

●ちょっと失言
フロイドの失言の項目には、いくつかのセクハラ風言動がリストアップされていたが、彼女が同じようなことを言っても失言にはならないから意外と不公平。やはり男女平等への道のりは遠い?


出演作品
THE WORLD(スカイスクレイパー)

「午前の光」に一歩先駆けて登場した、THE WORLDの「スカイスクレイパー」のマクシー・ローム役が商業作品での正式デビュー。見かけも頭も性格も良い完全無欠のおしとやかレディの役で、こちらのほうがそもそものルーツキャラ、グロリアの設定だったことから、「午前の光」開始時点ではTHE WORLDのほうが所属作になっていた。
「スカイスクレイパー」のデータの中でも書いているように、作者は女らしい女性を描くのがかなり苦手で、マクシー・ロームでも大苦戦だった。それがローダ・キャラハンになったとたん、一転して水を得た魚状態。データベースには迷わずローダ・キャラハンでの登録となった。

●作者ひいき度
そんなわけで申し分なく描きやすいキャラでした・・・

2006年8月