今回『ガジェット』の挿し絵を3Dで制作して思った事など、徒然に書いてみました。よろしかったらおつきあいください。 さて、右がレンダリング画像にPhotoshopで加工した最終画像。
そして下がShadeの作業用画像です。 ●ハリボテ画面は以下のように構成されています。
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小説に合わせてポーズをつけ、表情、ライティング、カメラアングルを決めて・・・といった作業はこのハリボテ画面で進めます。だいたいこんなもんかな?というところで初めてレンダリング開始です。このために何時間もハリボテ画面と格闘してきたのですから、一番興奮します。(笑) 余談になりますが、Shadeは他のソフトよりデータが軽いと聞きます。 |
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●左がレンダリング時のイメージ画像 大きいモザイク画像からはっきりした画像が現れてくる瞬間が楽しみで、ぼーっと何もせず見つめてしまうことが多い。(馬鹿) |
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おおまかなところで決定したら、後は小物の位置やライティング、カメラアングルの微調整をします。この場面は夜のリュミエールの部屋なので、暖かい白熱電球のような照明を左側からあてていますが、青い照明に変えると(右画像参照)まるで、どっかのバーカウンターで女の子を誘ってるように見えます・・・ね。(笑) |
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実際、照明はいくらでも嘘がつけます。(フットライトで皺を隠すとか) ところが最近になって観直した市川昆監督の「金田一シリーズ」には具体的で効果的なライティングが多く、勉強するところがいっぱいでした。 しかし、女優が大根だったらどんなライティングや演出しても使えないように、Shadeも元がダメだと使えません。オスカーの足許がどうしてもオスカーらしくならず、結局没になった画像があるように、レンダリングの瞬間に想いをはせ、ハリボテ画面と格闘するわけです。 |
瞳とキャラクターについて | ||
オリヴィエ、リュミエール、オスカーの場合、フェイスラインは、鼻のカタチが違うとか、オスカーのテンプル部分が少し広いくらいで、あまり変わりません。そうなるとキャラクターを作り分ける要素はおおまかに言って髪型と瞳です。髪型は一目瞭然なので、ここでは瞳について説明します。
照明は左下から青、右上から白の2つ、どれも同じカメラ位置でレンダリングしてます。 |
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オリヴィエ | リュミエール | オスカー |
瞳の色はブルーアッシュ。
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瞳の色は濃いブルー。
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瞳の色はアイスブルー。
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アレンジ/閉じ | アレンジ/伏せ | アレンジ/微笑 |
瞳を閉じた状態です。 閉じた時だけまつげの色を変えています。アップで見るとシュロの葉のようにバサバサですが、ロングショットだとこれで丁度いいくらい。これでパールのシャドウを入れられたら・・・。 |
伏せ目がちなショットが多いリュミエールのために作った表情です。(閉じないけどまつげだけ下を向くなんて・・・)ブルーグレーのまつげとそのまつげが落とす影とのバランスが難しくて、なかなか使用できませんでした。 | 笑顔のオスカーのための表情。口元だけで笑わせるのではどうしても無理!と思ったシーンのために作りました。基本的に目の下のラインを上げただけですが、これだけで優しい表情になるので他の2人でも試してみたいです。 |
可動部分とポーズについて | ||
Shadeでのアニメーションは、まだ厳しいものがありますが、キャラクターのポーズを変えるくらいなら、頑張れます。(笑)ここでは腕を例にとって説明してみます。 |
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まず、左の画面が『ブラウザ』とよばれるShadeオブジェクトの階層を表すもので、非常に重要かつ素晴らしいインターフェイスです。 左図は、オリヴィエが赤いコートを着た時の腕から下の可動パートを表示しています。『コート腕前後回転』から始まって、次々に入れ子式に可動パートを作るわけです。腕ひとつとってもこれだけの数があり、全身だと・・・数えたこともありません。 『コート腕前後回転』は名前の通り、腕を前後に可動させるための『回転パーツ』で、ハリボテ画面に回転軸を作り、ブラウザに表示された『回転』パートに、自分でわかりやすい名前を入力していく・・・わけです(こう書いてもわかりにくいよね)(笑)。 実際、可動させる場合、ブラウザ画面の左上にある上下にスクロールさせるバーを使って可動数値を決めます。この画面では『コート腕前後回転』は『-0.18』。前方に少し腕を伸ばした状態です。 こうして、可動パーツの数値を必要な箇所に、それぞれ入力し、とらせたいポーズに近付けていくわけです。 ●下記画像/指の可動パーツで設定したもの |
Photoshopでの最終加工について | |
挿し絵ということもあって、今回レンダリングした画像は全てPhotoshopで加工。 |
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(1) |
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(2) |
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(3) |
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(4) 先ほどの(2)の画像に(3)の画像をレイヤーで重ね、レイヤーパターン「スクリーン」を選び、不透明度を50%に設定します。 (レイヤーパターンや不透明度は、挿し絵によっていろいろ変更しています) |
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(5) 少々デジタルチックでスペクトラっぽい挿し絵が完成。 |
お疲れ様でした。(笑)