【128】番外カット2001.07.10


『ガジェット』の場合、基本的に文末シーンを挿絵にしてきたので作ったって使えないと知りつつ、どーしても3人一緒に車に乗ってるシーンを自分の目で見たくて作ってしまった未使用挿絵。
場所的には最終章の中盤「そーだけど!」「そうだけど?…けど、なんだよ」「………けど………」と、まるで「となりのト●ロ」の「夢だけどー」「夢じゃなかったー」「夢だけどー」とサツキとメイが庭で踊っているようなやりとりあたりでしょうか。(笑)
ヨシュアが運転してる時は(違うトラックだが)オリヴィエとリュミエールは荷台に乗ってたのに、オスカーと3人だったら窮屈でも迷わず3人フロントシートに乗り込むってのが、私の想像だ。(笑)


さて、今回の挿絵は岸田の要望で全編3Dで制作することになったわけだが、
全22話という中堅愛好会の通常創作では前代未聞の作品に、これまた出来るかどうかもわからない3Dのボディを使って挿絵をつけるなんて無謀と言えばあまりに無謀な挑戦であった。
連載というカタチで数話アップした後、一度見えてしまえば異常に早い岸田の執筆。(<まじ)
毎日のように「ガジェエット第○話〜」と岸田から原稿が届きはじめた。

ほぼ全体が見通せる段階になって(<約一月)(笑)、私もその勢いに押され彼等が絵として動き出す。
パソコンの周りに散乱しているDMハガキの余白にサムネールを描き止め、3人の登場のバランスなどを考えながら挿絵を作成、岸田に送りつける…という日々。
(このサムネール、クロッキー帳も横にあるのだが走りながらメモを取っているのと一緒で、後で見たら本人でさえ何が描いてあるのかわからない3cm×2cmほどのグチャグチャの覚え書きである)
しかもこの間、クリスマス用のトップ絵、アバンギャルド用挿絵、踊るサクリア…と、いったいいつ仕事をしてたんだ?と疑いたくなるような中堅の日々が続いている。
(おまけに好きなバンドのライブのために上京、岸田と睡眠時間を削ってこのバンドと中堅のことで語り倒し、危うく帰りの飛行機に乗り遅れそうになった)
岸田も脱稿の勢い止まらず上がった挿絵でムービーまで作りはじめた。(笑)(オマエもだ>WON)

喉元過ぎた今では楽しい想い出しか残っていないが、ナイフやハサミ、背景セットといった小物作りも彼等が主役でなければ到底作る気力もなかったものばかりである。
私の場合、仕事でも趣味でも”習得したノウハウは全て中堅組で遊ぶため”が信条なので(<おい)
七転八倒しながら物語を作り、私のイマジネーションを引き出してくれた岸田志野、
そして連載中いろいろな感想を送ってくださった来訪者の方々に心から感謝している。
ありがとうございました。             by WON


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