前回までのあらすじ。長い聖地の歴史でも一二を争う珍事件「ブルーテディ騒動」がやっと大団円を迎えた後のある日。穏やかな休日を女王候補達の部屋で過ごしていたオリヴィエとオスカーの元に、リュミエールが急を要する趣でかけ込んできた!一体何事??
「いったい何事なんだ、リュミエール」
勇んでかけ込んできた水の守護聖に、オスカーは問うた。
「どうしたもこうしたも・・・」
「もーやめてよね〜、ようやっとワケわかんない事件にもカタがついたんだからさぁ」
「別に私が引き起こしてるんじゃありません!」
辟易、といった表情をするオリヴィエに、リュミエールは思わず声を上げる。とりあえず落ちつけとばかりに、そんな水の守護聖の前に茶が差し出される。
「あら?リュミエール様、随分大きな荷物を・・・」
ロザリアがリュミエールの持ち込んだ、大きな風呂敷包みに目を止め、言った。
「そ・そうなんです!これです、問題はっ!」
本題を思い出したリュミエールはそう叫んでその後、苦渋の表情になる。
「これは・・・新しく支給された、私達の服です・・・」
「うっそ〜〜〜〜〜〜〜っ!おニューになるの??どんなの?見せてよーーー!!!」
リュミエールがまだ言い終わらぬうちに歓声を上げ、誰に断りもなく荷を解きはじめる。
「ワタシに一言もナシってのはちょっーと気に入らないけど、まあ良いわ、気に入らなかったら自分で変えちゃ・・・」
中を見たオリヴィエは、そこまで言ってしばし言葉を失った。
「これ・・・ナニ。お揃いなの?今度の服」
「制服ですよ。高等学校の・・・・」
「なんでそんなものが支給されるんだ?学芸会でもやろうってのか?」
「そんな程度のお話ではないのです、オスカー。私達はすぐさまこれに着替え、この部屋を出たら・・・世界は変わっているのです。私達はそこでは高校生・・・そういうことに、なったのです・・・!」
「なんだそりゃ〜〜〜〜〜!」
一同ツッコむ。リュミエールは絞り出すように言葉を吐いた。
「それが女王陛下の思し召しならば、私達は従うしかありません・・・・」
「ちょっと待て。それホントに女王陛下の思し召しなのか??」
「なーんか違うトコにいる、頭のイカれた二人組の”女王陛下”なんじゃないのっ?」
まーまー、そこはそれです、オリヴィエ様。
「今何か聞こえた!・・・・やっぱり・・・・・っ!!」
何言おうがやるこたぁやっていただきます。あ、ちなみに某ゲームにヒントを得てはいますが、設定は勝手にいろいろいろいろ変更になってますからよろしく。
「何がよろしくだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっっ!!!」
一同の叫びは虚しく虚空に響きわたった。が、運命とは無情なもの。たとえ守護聖であっても逆らえないものというものはあるのである。
そんなわけで、ここ読んでる皆様も、そういうことでよろしく☆。
《続く》