|Part 1|Part 2|
【ダリル・ジョーンズと深夜のラーメン屋 】
大興奮の大阪初日が終了。
チカちゃんと待ち合わせの場所に着くと、彼女も「無理して来て、ヨカッタ〜」と大満足の様子。
公演後、ダリル・ジョーンズと会う約束をしていた。が、それまでに時間があったのでチカちゃんはグッズを購入することにした。グッズ・コーナーがなかなか発見できなくてウロウロしていると、長蛇の行列が私たちの目に飛び込んできた。
「何、あれ?」「グッズの列だったりしてぇ」
……グッズの列だった。 (; ;)
あまりの長さに購入を断念することに。軽く食事をとりホテルに向かった。ロビーで少しくつろいだ後、チカちゃんはダリルの部屋に電話した。ダリルはロビーまで向かえに来てくれ、5階のバー・ラウンジに上がった。バーはSTONESの関係者で貸し切り状態だった。
3分ほど待たされ、やっと席に案内された。今日はSTONESのスタッフの誕生日とかで盛り上がってる様子。
ダリルと日本人3人の組み合わせは、かなり目ずらしかったのだろう、ボビー・キーズやアラン・ダンさんなどが次々に挨拶?に来た。
私たちはチカちゃんを頼りに、ダリルとお喋り。私は、STONESのこと、ミックのことを聞きたかったのだが、グっと我慢してダリル寄りの会話に徹した。
ダリルとチカちゃんは3年振りの再会をたいへん喜びあって、近況報告をしていた(ようだった)。その後、ダリルはチカちゃんとの会話だけにならないよう気を配ってくれているのか、私やチカちゃんの友達にも話しかけてきたり、日本と縁りのある話しなどを話してくれるなど、非常に紳士的だ。
なんでも、学生のころ部屋をシェアしていたのが日本人だったとか。その人の名前も覚えており、会いたいと言っていた。そのころから、日本に興味を持ち、日本酒は大のお気に入り。しきりに日本酒の銘柄を繰り返していたがド忘れしてしまった。日本に来るたびに、それを購入しているらしい。
また、今回、東京で尺八も購入したとか…。サウンドが神秘的だと言っていた。それから、ソバが大好きで、アメリカでも食べているという。東京では、いきつけのソバ屋さんもあるんだって。
ソバの話しをしていたら、ダリルは唐突に「ソバ屋に行こう」と言い出した。深夜3時になろうという時間に開いているソバ屋さんなんてあるのだろうか? 博多だったら屋台があるのだが…。チカちゃんの友達は大阪の人だったので、全員の視線が集まった。彼女は焦りながら「普通の時間なら、有名な所に案内できるんだけど、この時間は…」と冷や汗。
チカちゃんがダリルに状況を話すと、「麺類なら何でもいいから食べに行こう」とダリル。昨日、バーナード達と(?)一緒に外人バーで遊んだあとソバ屋さんに行きたかったが行けなかったらしい。今日も朝から、バーナードやリサと「オイシ、ソバ屋サン、シッテマスカ?」(日本語で)と会うたびに言っていたんだとか。
そんなにも行きたいのなら、案内してあげようということになり、この時間に開いている行列のできるラーメン屋さんがあるので、そこに行くことになった。
そんなわけで、ダリルと3人の日本人の不思議なグループはラーメン屋さんを目指して移動することに…。ホテルの玄関前には運悪くタクシーが止まっていなかったので、少し歩くことになった。ダリルはお酒のせいで、ちょっと笑い上戸になっていた。学生のころに初めて知り合った日本女性が、「私、奇麗でしょ」と言わんばかりに、しょっちゅう髪を耳にかける仕草をしていたとかで、その真似したかと思うと、「Yes、You Are Beautiful ! Out you go! Thank you!」と言って笑っていた。 (^ ^;
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大通りに出て、タクシーをつかまえようとするが、タクシーは止まってくれない。明らかに空席なのに10台以上のタクシーが通りすぎていった。私たちは腹立たしくなった。博多でも、黒人の友達はタクシーが止まってくれないと嘆いていたが、むかつく話しだ。ダリルは、「ここは、NYかい?」というようなことを大声で叫んでいた。
これでは目的地に永遠に着けない。私たちは作戦をたてた。横断歩道近くまで歩いていき、信号で止まったタクシーに乗り込む作戦だ。
この作戦はすぐ成功し、私たちはタクシーに乗ることができた。
15分くらい移動した場所に目的のラーメン屋さんがあった。10人くらい並んでいたので、私たちも最後に続く。ダリルはワクワクした様子で入り口のガラス戸から中を覗いていた。
5分くらいで中に入ることができた。真ん中が厨房になっており、その周辺をグルリと囲むように長いカウンター。私たちは1周回るようなかたちで、右側の席につく。
途中、STONESのパンフを持った人達が何組かいたが、誰もダリルには気付かないようだ。STONESのメンバーなら、こんなわけにはいかないだろうが…。それとも、ラーメンを楽しむダリルをソッとしてくれているのか? 店内は静かだった。
注文した品を待つ間、改めて店内を見渡すと、ちょうど正面にすわっていた3人のグループが、なんと知り合いの人だった。KBC九州朝日放送の大久保さんとLOVE FMの元永さん。どちらも大のSTONESファン。お互いビックリしたが、席が離れていたので、口パクで挨拶した。(彼等もダリルには気付いていない)
ラーメンが届き、みんなで食べ始めると、大久保さんが目をパチパチさせながら、私に合図を送ってきた。やっと、気付いたようだ。そうすると、他の人達も気付いたのか店内の雰囲気がガラっと変わりザワツイてきた。ダリルは、その雰囲気を察しながらも、「オイシイ」と言いながらラーメンを食べていた。いや、本当に、そこのラーメンは美味しかった。あっさりしていて、大きな器に入っていた麺を食べきってしまった私(だって、美味しかったんだもん)。
ダリルがラーメンを食べ終わるのが合図になり、あちこちからダリルの周辺に集まってきて、握手とサイン会が始まった。
その様子を見たお店の人も、色紙を数枚持ってきてサインをお願いした。するとダリルは「サインを書きますから、スープのレシピを書いてください」と言って笑わせた。(この話し、結構マジで、ダリルは暫くの間、スープのことを熱心に聞いていた。通訳のチカちゃん大活躍!!)
スープの話しが一段落したとこで、お店を出ることにした。ダリルには明日も大事なステージがあることだし、あまり遅くなったら悪いと思い(もう4時近いゾー)、解散することにした。
今度はタクシーを楽につかまえることができた。ダリルはみんなを送ると言ってくれたが、お礼の意味も兼ねて、先にダリルのホテル経由で帰ることにした。
タクシーの中、あいかわらず上機嫌なダリルは、髪を耳にかける日本女性の真似を繰り返していた。それにバーナードとリサは明日(今日?)の朝会ったら「オイシ、ソバ屋サン、シッテマスカ?」と必ず聞いてくるはずだから、今日のラーメン屋を教えてあげたら驚くだろうな…とワクワクしているようだった。
ホテルに着くと、ダリルはタクシーから降り、私たちに挨拶をしようとしていたが、チカちゃんが「私たちも外に出て、お礼しようよ」と言ったので、私たちは外に出た。その様子を見たダリルは、『君たちはまだバーで飲もうというのか (^ ^; 』 とでも勘違いしたのか、目をパチパチしていた。チカちゃんが「お礼が言いたいから」と説明すると、ダリルはホッとした様子を隠そうとしなかったので、全員で笑った。
お礼を言い、再びタクシーに乗り込んで私たちは別れた。チカちゃんと友達は、私のホテルの部屋に忍び込んで泊まることになりました。 (^ ^; そして10時頃、着替えのために出ていったとさ。
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そんなわけで私たち、ダリルとラーメン屋に行っちゃいました。お店の名刺を持ち帰ったつもりだったのですが、それが見当たりません。チカちゃんの友達に、そのお店の名前を確認する予定です。そこにはダリルのサインが飾られているでしょう。
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