NO.9 1999新年特大号「オーストラリアはこんなとこ」 1999年1月1日号

最近のメルボルン

夏/
こちらにはサマータイムがあって10月26日から(誰が決めたか、なぜかサロニーの誕生日)、3月ぐらいまで、時計を1時間進める。サマータイムが始まると、夜8時くらいまで明るくなって、どうも夕食が遅れがち。
11月に入るとメルボルンカップが行われ(競馬・・・なぜかカップデイは祝日で学校も休み)、メルボルンはいよいよ夏の気配。
そして街はクリスマスの装飾に活気づくのであった・・・

クリスマス/
クリスマスは25日当日、家族や友だちとかなり気合を入れてお祝いする。
ちょうど日本の忘年会みたく、会社などでも12月に入るとクリスマスパーティをやるが、クリスマスBBQというバーベキュー大会が一般的。
なぜかわたしの入っているインターネットプロバイダでも、毎年このクリスマスBBQをやってくれる。



あけましておめでとうございます、みなさん。わたしとタスクもオーストラリアに来て約一年半になりました。
そこでBIGCAT NEWS1999新年特大号では
「オーストラリアはこんなとこ」特集を組んでみました。


●近所の公園

のんびり、おおざっぱ
オーストラリアはのんびりしたところだ。誰も彼も、何もかもがスローペースだ。
コアラを思い出してみよう。なんだか動きがトロいでしょ?
オッポサムだってトロトロとしか歩かないし、比較的早いイメージのカンガルーだって、普段はもったりくったりジャンプして、猫みたいに朝と夕方以外はゴロゴロ寝てる。おまけに彼らは、カラカラ天気が去るまで妊娠期間を延長できるというから気が長い。
のんびりついでに、なにもかもおおざっぱでもある。
息子の行っている高校には、学生手帳のようなものがあって、それに年間のスケジュールが書いてある。しかしなぜか休みはそのスケジュール通りには始まらない。バイトの予定を立てようとした息子は、先生に「夏休みはいつからですか?」と尋ねるが、誰に聞いても「いつかな?」「今度調べとくよ。」なんて返事。生徒に至っては、「いつ学期が終わるかわかんないほうが、気楽に通学できていいじゃんか。」なんてわけのわからないことを言ってるらしい。

自然がいっぱい
わたしは実はメルボルン周辺しかまだ知らないが、オーストラリアの豊かな自然は有名だと思う。なにしろ大きな大陸なのに、主に海の周辺のわずかな場所にしか町がないのだ。都市の人口も日本に比べてずっと少ない。

メルボルンは街の60パーセントだかが公園とかで、公園都市とか呼ばれている。
もしメルボルンに観光に来たら、シティ周辺の公園だけもびっくりする規模だと思うが、シティから少し離れると、これがまたすごい。
わたしの住んでいるところはシティから電車で15分くらいの住宅地だが、家から徒歩1分から車で5分で行ける範囲の中に、知っているだけで6つの公園がある。しかもそのうち4つはかなり巨大規模の公園だ。家の近所に駒場公園と新宿御苑と代々木公園と森林公園があると思えばわかりやすい。
そして公園にはオッポサムみたいな得体の知れない野生動物や野鳥がふらふらしている。

楽しい学校生活
息子の学校でバレーボールの授業をやると、コート内のどこにボールが飛んできても「マイボール!」とかいって突っ込んでくる奴がふたりくらいいるそうだ。業を煮やした息子が「おまえのポジションはいったいどこなんだ!?」と突っ込むと、「コートの中全部」という答え。
また学校ではFのつく言葉など、バッドワードは禁止だ。
ある先生が「わたしはバッドワードはどんなに離れていても聞こえる。」と言ったところ、ナイスンという生徒が突然教室を飛びだして廊下をだーっと走ってゆき、しばらくして戻ってきて一言、
「聞こえた?」

きらいなもの
オーストラリアできらいなものというのはあまりないが、缶切りだけは大嫌い。たぶんオーストラリアだけのものじゃないと思うが、あのネジみたいなのをくるくる回す式のやつだ。
あと真夏のクリスマスだけはどうしても感じが出ない

好きな人たち
わたしがメルボルンで一番愛しているのは、RACVのおじさんたちだ。これは日本のJAFみたいな組織で、車のトラブルの際、電話一本で駆けつけてくれる。
オーストラリアは車が輸入車中心で高価なので、中古車が一般的。それもびっくりするような年代物でも大事に乗るので、RACVは大繁盛だ。
わたしの車は、車そのものの故障はなかったのだが、車に本格的に乗るのも所有するのもはじめてだったので、ハンドルロックとか、プラグの汚れとか、ライトのつけっぱなしとか、鍵を中に残したとかいう恐るべき理由で、移住後最初の一年は5回くらいRACVのお世話になった。しかもそれが商売とは言え、おじさんたちはバカな理由で呼びだされてもいやな顔ひとつせず、口笛吹きながら楽しそうにレスキュー活動してくれる。
彼らなしでは生きていけない。
わたしは、RACVのおじさんたちを「マイ・スイートハーツ」と呼んでいる。

好きな商品名
○I Can't Believe It's Not Butter!(これがバターじゃないなんて信じらんなーい!
という名前のマーガリン。誰かがやりそうで意外とやらなかった、ちょっと外したネーミングがナイス。
GOOD BYE FREIEND(グッバイ・フレンド)
という名前の虫よけ。

好きなCM
○「タイタニック」のビデオの宣伝。
「タイタニック」のスコアに乗せて、中国のバスの中からとか、コインランドリーの乾燥機の中からとか、いろんなシチュエーションで、窓に手が「バン!」と張り付く。ペプシコーラと提携して、「汗」をテーマにしたCMのため、こんなんなったらしい。

びっくりしたこと
○こっちに初めて来たとき、電柱に巨大な「オオバタン」がとまっていたので、「ペットショップから逃げたのかな」と言ったら、アリスンが「いや、野生だよ。」と言ったのには驚いた。
今はオオバタンや派手な色のインコを時々見掛けるのには慣れましたが、移住したてのころは、しばらく小型望遠鏡でデバカメのように彼らを追い回すあやしい人間になっていた。
○ある日曜日、駅に行ったら、線路の上をおじさん達がごみ拾いながら歩いていて、「きょうは電車ないよ。」と言われた。



●オオバタン。
この写真はシンガポールの鳥類園で撮ったものだが、こういうのと公園で遭遇する。

オーストラリアの挨拶英語
Good day
おなじみ「グッディ」ですが、オーストラリアなまりでは「グダイ(G'day」と発音します。ハローと同じ意味。
Good on you
「ぐどおんにゃ」と発音する。「サンキュー」のオーストラリア版ですが、感謝をあらわしたいときなんかに使う、人情味のある言葉です。
クロコダイル・ダンディみたいなおじさんが、男っぽく、しかし素朴さと密かな「テレ」を秘めて言う感じをイメージしてください。
No worries
「ノー・ウォーリース」。「ノープロブレム」と同じ意味。お礼を言われたときなんかに「いいんだよ。」という感じで使う、これもなかなか味のあるオーストラリア独特の表現です。
最近Not worries(なだうおーりーず)とかいう新しい言い回しも出てきて、わたしくらいの世代の人は「なにあの言い方」と嘆いているようです。

オーストラリアがわかる映画
「ベイブ」
オーストラリア映画で現在最も有名なのは、たぶんこの映画。
最近「2」も、ハリウッドで作られたみたいだけど、最初の作品は純正オーストラリア製で、オーストラリアの田舎が舞台で、真夏のクリスマスやオーストラリア独特の言い回しなどがチェックできる。
特にわたしと息子が、オーストラリアだなあ〜と思ったのは、おじいさんが自分の農場のゲートを、怪しげなぜんまい仕掛けの自動ゲートに改造し、できあがったのを始動してみて、ブタに嬉しそうに「へへっ」とか笑って見せるとこ。
オーストラリアの人は日曜大工と園芸がみんな大好きで、わたしはみんなのそういうとこが大好きなのだけど、自称現代っ子の息子は、なんでみんなそんなに牧歌的なのか理解できないらしく、このシーンで頭かきむしって「うおー!!!」と叫んでいた。いいと思うけどねえ。
他には「マッドマックス」と「プリシラ(のちにハリウッドで「3人のエンジェル」とういタイトルで、リメイクされた)」が世界的なオーストラリア映画です。
あと「クロコダイル・ダンディ」も、(オーストラリアで作られた映画ではないけれど)オーストラリア人がヒーローの有名な映画だね。


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