【001】トンネルシーン
<THE WORLD/ルビー・ブラック>

●トンネルシーン1<ルビー・ブラック>
長い間地下鉄沿線に住んでいたため、暗い地下のトンネルを走る列車は、いつしか獸木の中で深く長い孤独を表す象徴的な小道具となったのだが、アナログ制作のPALM「愛でなく」の、ジェームスの孤独な幼少期を描くシーンでは、ペン画表現の限界から自分のイメージを画面に出し切れず、CG作品「THE WORLD/ルビー・ブラック」で再挑戦。
「ルビー・ブラック」がCG処女作だったこともあって、CG処理だけで1ページ約1日(2002年現在通常1日約3〜6ページ)を要する大掛かりな作業になってしまったが、スクリーン処理によって、どうにか思い描いた通りのオーバーラップ画像が完成。

 
●トンネルシーン2<ルビー・ブラック>
トンネルシーン1の右側に位置したページ。
これが問題の、涙を呑んだPALMのアナログ版。明かりのにじんだ感じは、エアブラシ(環境問題に対応するためPALM前半で使用を中止)を使えば何とか表現できたかも知れないが、オブジェクトと背景がぼんやりと重なり合うようなオーバーラップは、ペン画ではどうしても限界があった。


これが背景画のひとつ。個別に作った人物などの画像とこれら背景の画像のレイヤーをスクリーン・モードで重ね合わせている。スクリーン・モードは暗い部分に重ねられた画像のみが浮き上がって見え、白の上に乗った部分は飛んでしまう。グラデーションを上手に使うと、ぼんやり絵が重なり合うので、暗い中に何かが浮きあるような効果にはうってつけ。
さらに目で確認しながらぼかし(ガウス)や、レイヤーの透明度変更処理をして奥行きを出してゆき、最後にPhotoshopのエアブラシツールでハイライト(細かな光の部分など)を入れて仕上げている。。

| NEXT | WORKS TOP | TOP PAGE | TOP PAGE/English |