リレー小説『踊るサクリア』04 by TAD

幸か不幸か、あたしの絶叫を聞き付けてオスカー様とカマトト娘がやってきた。
「どうしたんだいお嬢ちゃん。この世のものとも思えない、叫び声が聞こえてきたが・・・」
「な、なに?どうしたのロザリア?」
言うまでもなく、最初に声を発したのは麗しのオスカー様で、それに続いたのはカマトトアンジェリークだ。
あたしはつとめて平静を装って「なんでもありませんのよ」とは言ってみたものの、腰が抜けて尻餅をついている状態じゃ、説得力に欠けるのは否めない。
「そうは言っても顔面蒼白だぜ、お嬢ちゃん。一体何があったんだい?」
ああ、いつもお優しいオスカー様。そんな情熱的な視線を向けられたら、あ、あたしは・・・。
「ロザリア、もしかして立てないの?」
「う、うるさいわね」
思わずあっちの世界(?)に行きそうになったあたしは、アンジェリークの声で我に返った。
「ともかく、だ。お嬢ちゃんをこのままにしておくのは俺の趣味じゃない」
そういって、オスカー様はあたし抱き抱えてカウチに座らせてくれた。
「さあ、何があったのか話してごらん、お嬢ちゃん」
オスカー様は優しくあたしに問いかけた。
「うんうん、一体どうしたの?」
(ほっんとにうるさい小娘ね)※もっともあたしと同じ歳なんだけど・・・
オスカー様の隣にアンジェリークが陣取っているのが気に入らないものの、あたしは事の成り行きを二人に話した。

《続く》


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