リレー小説『踊るサクリア』05 by WON

先に声を上げたのは、アンジェリークだった。
「きゃははは!!ロザリアったら〜。おかしい〜。」
正確に順を追って真剣に事の成り行きを話したあたしは(もちろん壁にコップをあててアンジェリークの部屋を探っていたことは省いたケド)のほほ〜ん娘のあんたに言われたか無いわよ〜〜〜!とアンジェリークを思わず睨みつけた。と、その時、ずっとあたしの手を握ってくださっていたオスカー様の手に力がこもった。
「・・・それは、本当の話なんだな・・・お嬢ちゃん」
振り返ると、いつもは大人の余裕ぶちかましのオスカー様が、うっすらと額に汗までして青ざめている。(あぁ、オスカー様!)そんな真剣な横顔に、あたしの胸はきゅーーーーーんっと鳴いてしまうのだ。
しかし、母性本能をくすぐられている場合では無い。どうやら事は重大のようだ。あたしはできるだけ押さえて言った。
「はい、嘘は何ひとつ申し上げておりません。・・・もしやオスカー様には、お心当たりがあるのですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
オスカー様は少し混乱しているようだった。しかし、何か決心したように
「お嬢ちゃん・・・これは俺達だけで解決できる問題じゃ無いらしい。他の守護聖にも相談してみよう。一緒に行ってくれるか?」
とまっすぐあたしをみつめた。あたしはそのアイスブルーの瞳に「はい」と答えるのが精一杯だった。

《続く》


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