リレー小説『踊るサクリア』08 by WON
(ゼフェルがどーしたちゅーねん!!)何故、関西弁になるのかは分からないが、完璧なまでに神々しく、ハムレットのように自分の世界に酔いしれていた私、ジュリアスは、その緊張感をブチ壊した緑の守護聖マルセルを冷ややかに見つめた。
「ゼフェルが!ゼフェルが・・・・優しいんです〜。」
磨き抜かれた大理石、無駄な線ひとつない美しいドレープを重ねたカーテン、代々受け継がれた気品と誇りを持つ者だけが所有してきた光の執務室・・・。この三次元の空間を、鳴き声もピースフルにチュピが飛ぶ・・・。
「ジュリアス様!さっき、オスカー様から守護聖全員に召集がかかっていることを伝えようと彼の部屋に行ったら彼、何て言ったと思います?『よう!マルセル、いつも面倒かけるな。これから何が起こっても友達でいてくれ』な〜んて言うんですよ!僕、嬉しくなっちゃって〜。」
守護聖・・・それは選ばれし者・・・。女王陛下の意思、ひいては全宇宙の意思。
女王にお仕えする者として、このくらいのことで動揺してはならん!顎が外れそうになりながらも、私はつとめて優しく言った。
「マルセル・・・守護聖同士、仲が良いことはいいことだな。ところで、守護聖全員に召集がかかっているとはどういうことだ?私はまだ聞いていないが。」
「えっ、本当ですか?僕の所にはランディが知らせてくれたんだけど・・・。」
オスカーが召集をかけているなら、一番最初に私のもとへ来るはず・・・変だ。
「まあいい。マルセル、私にも説明してくれないか?」
「はい!僕が聞いているのは・・・」
マルセルの話を聞きながら、今朝から私を襲っていた漠然とした虚無が、少しづつ現実味を帯びていくのを感じてた。
《続く》
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