リレー小説『踊るサクリア』10 by TAD

れ、冷静にならなくては・・・。
あたしは思った。
何が原因かは分からないけれど、この聖地のそこかしこで異変が生じているのは、もはや間違いない。
「れ、冷静になりましょう・・・」
あたしはつとめて冷静に言ったのだが、冷静なのはあたしとアンジェリークだけのようで、回りのみんなは冷静と言えるほど冷静では無かった。
冷静なあたしは、周囲を冷静に静観しているのだけれど、守護星の皆様はとても冷静と言うには程遠く、あたしは冷静に振舞いつつもこの状況を冷静に分析しているんだけれど・・・あれれ、何かおかしい。
ちょ、ちょっと待て・・・冷静になるのよ、ロザリア!
冷静、冷静、ってあたしはさっきから何を言っているのかしら?
あたしは冷静よ・・・、いやそうじゃなくって、冷静に考えるのよ。
おかしい、絶対におかしい!
あたしが「冷静に・・・」と考えた瞬間に、冷静が頭の中を駆け巡って、すでに冷静を逸しているじゃないの!?
な、なんなのよ、これは?
あ、あ、あたしは何を考えているというの!
あ、いけない、興奮しちゃダメだ。
冷静にならなくては・・・あ、また冷静だ。
これって、一体なんなのよ〜〜〜〜〜〜。

《続く》


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