リレー小説『踊るサクリア』12 by 岸田
あたし、今は冷静よね、大丈夫大丈夫。
ジュリアス様とルヴァ様が出ていかれた後には、なんだかぶつぶつ言ってるオスカー様と、うっとり眼差しから冷めないリュミエール様、そしてこの緊迫した状況をわかってるのかどうか怪しいパープーアンジェが残った。
あたしがしっかりしなきゃ!
こういう時は冷静に状況を整理することから始めるのよ、そう教わったわ。
(皆様のお話を総合すると・・・・)
今、平常心を失っているのは、クラヴィス様、ゼフェル様、オスカー様も入れていいわね、この際リュミエール様も・・・。
冷静と言えるのは、ルヴァ様、ジュリアス様、マルセル様、ランディ様(・・・あんまり話に出てこないけど)、そして私・・・まあ、一応アンジェも。
「・・・・・・・あら一人足りない・・・・・・・」
守護聖様は9人。話にまったく関わってない方が一人。
「オリヴィエ様!!!」
今までのお話の中で、誰ひとりオリヴィエ様のことを言ってない。
これはどういうこと?そりゃあ、オリヴィエ様はあんまり他の守護聖様達とベタベタ一緒に行動したりはなさらないけど、こんな緊急事態に誰一人としてそのお姿すら見ていないなんて変じゃないっ!?
「ねぇ〜ロザリア〜」
アンジェが呑気に話しかけてきた。
「何よ?このあたしが一生懸命頭使ってるのに!!邪魔しないでよ!」
「なにかりかりしてんの〜?・・・ねえねえ、オリヴィエ様って何してんのかな?」
くそいまいましい、こんなパープー娘と同じこと考えてたなんてっ。でも今は非常時、そんなこと言ってる場合じゃないわ。
「ロザリアの見たブルーテディってさぁ、股下96センチだったりして〜」
「あんた、オリヴィエ様が着ぐるみ被ってアタシの部屋にいたっていうの!?」
「・・・・冗談よぉ〜勿論」
げらげらと下品に笑うアンジェ。なんでこんな娘が女王試験受けてるの?
「もぉ〜〜〜〜〜信じられないわっ!!!!!!!」
何もかもが嫌になるアタシだった・・・・。
《続く》
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