13『春のワイドSP!木の芽時だヨ、全員集合!!』 (2001.04.01)

   中堅愛好会HP前。
   不安な面もちで人を待っている風情のオンナがひとり。

そろそろ来てもいいころだよね〜…

そこへ人影が三つ。

あっ、ここですここです!お久しぶりです皆様!!この度は急にお呼び立てして申し訳ありません!!

ああ、WONさん。いったい…何事なのですか?

まだ人気投票の集計には早いだろう?いっくらパラレルだからってな、軽々しくほいほい呼び出すのはやめてくれ。

それはまるでアラジンの魔法のランプのあの…

ジーニー?…やめてよ、たとえるんでももっと美しいもんにして!…で、なんなの、とうとうこのコーナーまで私達レギュラーになったの?

レギュラーなんてそんな畏れおおい!…でもこーして来てくださって感激です〜(T-T)

前置きも礼もいい、理由を話せ理由を。

そういえば…いつもあなたと濡れ落ち葉のように一緒にいる岸田さんは?

そうなんです、今回わざわざイレギュラーにおいでいただいたのはその件で〜。
実は岸田が消息不明で…

消息不明?

ここんとこ、とんと連絡ナシなんです。

なんと…それは…心配でしょうね、WONさん。

ああ、あくまでもWONにとってはな。…なんでそれで俺達が呼び出されるんだ!

まさかワタシたちに関係あるってーの?

そうでなければ呼んだりしませんよ!とはいっても、私も実はよくわかんないんですけど。でも岸田の行動理由なんて、御三方以外あるはずないから。

問題あるぞソレ!

もちろん、たとえいくら些末なことでも私達でお役に立てるならしたい気持ちですが…

まっっっっっっっっっっっったく全然これっっっっっぽっちも!!!

岸田に心当たりなんかないわよ(きっぱり)。

皆様、正直にどうもありがとうございます…。いえね、その最後に会った時っていうのが岸田がコレを買った日、なんです。

WONの手にはオフィシャル発刊『トロワ・恋愛講座』が。

だからなんだっていうんだ。

岸田、これを読んで…なんか思い詰めたカンジで…その後思い立ったように今度はこれを必死の形相でめくって…

WONが引き続き取り出したのはやはりオフィシャル発刊『天空・メッセージコレクション』。

で、それっきり。
…お願いです、ちょっとこれから岸田ん家行ってみよーと思うんです、皆様にもぜひ!

え〜?なんでよ〜?

帰ろう。これでも俺達見た目よか忙しいんだぜ。オマエひとり行けばいいじゃないか。

そう言わずと〜〜〜〜〜

(しぶる炎夢にむかって)まあ、ここまで来てしまったことですし、少しくらいつき合ってあげてもいいんじゃないですか?

うわ〜〜〜〜〜ん、リュミ様優しい〜〜〜〜〜〜(爆涙)。弱った人間にはじゃぶじゃぶ沁みますそのお言葉〜〜〜。

(にっこり微笑み)私は優しさを司る守護聖ですから。

あくまでお仕事って意味っすね…(遠い目)。ええい、まあいい!とにかくお願いします、行きましょう!!!

ったく、どこまで迷惑なヤツなんだっ!

半ば強引に三人とともに岸田の家へ。部屋に何か手がかりがないかと物色する一同。

あっ、こんなところにいかにも臭う封筒が!
なになに…「オスカー様、そして皆様へ」

まるで皆で来ることを予測してたかのような宛名…

…なんで俺だけ別立てなんだよ??

とにかく開けて読んでみれば〜?

じゃ、いきます!!

オスカー様、そして皆様へ
ご心配をおかけしているかもしれません。でも私にはあからさまに不機嫌でHBブルーの下向き振り切ってるオスカー様のお顔が見えるよう…くくく…そんなオスカー様もツボ…。

……なんだこの導入…。

のっけからワケわかんないわね…いつものことだけど。

私には白いチュチュ着た彼女が見えるよーですよ…キャラ被ってんぞキシダ。このパクリ王。

手紙とはいえまるで肉声が聞こえるようにリアルですね…とにかく続きを。

しかし、そんな皆様がここでこの手紙を読む頃、私はすでにそこにはいないでしょう…

あ?死んだのかアイツ?

いいえ、死んじゃいません。

手紙のくせに会話に参加してんじゃないわよ。

妙な手紙とお思いでしょうがソコはそれ。とにかく!
まず恋愛講座と天空メッセージコレクションはお手元にございますでしょうか。

あるよ、あるよ〜。安心して続けて〜。

その二冊を改めて読んで…私はとある重大な秘密に気付いてしまいました。知らなかったほうが幸福だったかもしれない、でも愛しているからこそ気付いてしまう、わかってしまう…。知った以上、知らなかった昔には戻れない!
長らくこんなHPをやって、闇雲に走り続けた数年。私の前に道はない、私の後にも道はない、そんな状況の中、唐突にたどりついた…ある結論。オスカー様、そして皆様にこれを伝えないといけない。そのためにこの手紙を書いています。

とうとうこのHPをやめるという話なのでしょうか?

ある意味願ってもないと言いたくもなるな。

言っておきますがまだヤメません。

あ、そ。つーかそん時は別にワタシらに断らなくてもいーんだけどさ。…じゃあなんなのよ。すでにオスカー、キレかけてるわよ、早くお言い!(<すでに投げやり)。

…まだやめません、やめられないんです!中堅御三方への愛は山より高く海より深く炎より強く夢より美しく水より…優しい…って何かチガウな…。

手紙のくせにぶつぶつ言うなっ!

とにかく。問題はこの『恋愛講座』です。というか『トロワ』…ひいては『天空』でのオスカー様、あなた!!!

(ちょっとビビり)な、なんだ?

それは『トロワ』プレイ時にもそこはかとなく感じていたことだった…のですが、『恋愛講座』でしみじみと活字化されたものを読み。プレイ時間があまりとれず攻略も甘かったこともあって、私が知らなかったエピソードなども改めて知り。
あまりにも、ええ、あまりにも衝撃でした…オスカー様、それではまるでヒロシくん…。

ヒロシ?誰よソレ!?

あ、ヒロシくんはウチの隣に住んでたヤンキーです。部屋にナメ猫のポスター貼ってて。『●と誠』とつ●ぎたくとチェッ●ーズ(チェック服時代)が好きな暴走族でねー、でも気はいい人でした。風の噂じゃ今は中学生を頭に3児の父で、元気にやってるとか。

時代が知れるなぁ…って、そんなディテールいいんだよ〜話ぜんぜん進まないよキシダ〜〜〜。

戻します。
とにかく、言いたいのはヒロシくんは当時一応モテてもいたが、私は全然好みじゃなかったということです。

戻ってないじゃないかっ!

いや戻ってます!…私がこんなにもこんなにもこんなにもこんなにもこんなにもっ!!愛してやまないオスカー様がそんな単に若気がいたりまくったおセンチヤンキーであったなんて、そんなことあるはずがないんです。これは嘘よ…いや、きっと何か理由があるに違いない…

はぁ?(おもむろにWONに振り返り)コイツ、ほんとにゲームやったのか?なんか別のもんと間違えてんじゃないのか??

いや、ちゃんとやってますよ?間違いじゃないです。

なんか早くも得意のイっちゃってるノリ…ちょいヤバめ?

あのオオカミの話…ちなみに『恋愛講座』P79です…これ私、ゲームでは見れてなくて…そんなエピソードがあったなんて…

ああ、孤高のオオカミを今でも尊敬してるってお話ですね。

いかにもオスカーらしいじゃん、そんなの。

「事実」と「らしい」は全然違いますっ!!「実際の貧乏」と「ビンボーくさい」が全然違うように〜。そんな、尊敬するのがオオカミって、オスカー様、もっと人とも交わっていかんと!…いや、これだけならばまだいい。オスカー様は最近「ダンス●ィズウルブス」のビデオでも見てうっとりしちゃったんだ…ああでもあの映画はむっちゃ長い、オスカー様は確実に寝る…あ、アレだ、これを元ネタにしてるだろう永瀬●敏の缶コーヒーのCM。あれでも見てちょこーっとドリーム入っちゃったんだわ。そう思えば。

そんな程度の理由で呑めるんだったら文句言うなよ〜。

でも。この隣!なんすかこの妹様とのエピソード!!これ、この“度胸だめし”ってさしずめ「崖っぷちでバイク寸止め競争・チキンレース」とかそーいうんでしょ??そんなん、妹さんも呆れて平手打ちするに決まってます!私が身内だったらグーでぶってます、ビス付きの手っ甲くらいつけて!いやいっそ…その崖からたたき落としちゃうかも…イカンです、イカン!!

確かに…これはこのくらい言われても仕方ないかもしれない…

おいおいおいおい!リュミエールまで納得するな、妹は別に「呆れて」平手打ちしたんじゃないぞ!…大体、昔の話だろう?俺だってその時心から反省したってちゃんとソコにも書いてあるだろーが!!

してなかったら守護聖になってないよ、アンタ。確実にどっかで無駄死にしてるね!

誰にだってそんな恥ずかしい時代がある。愛とは許すことでもあるのよキシダ。そんなふうに自分に言い聞かせてもどうしようもなくわき上がってくるココロの絶叫。
…これは…私の知ってるあなたじゃない!!!!!

おいおい…(がっくり肩を落とし)こういうノリのオンナ、たまにいるんだよ〜〜〜!おいWON、オマエがしっかりしないから!

私のせいにしないでくださいよっ。言っちゃなんですがキシダと知り合ったのなんか守護聖様方より後なんですから。

ある意味私達が引き合わせてしまったところもある…そこに責任は感じたくないのですが…

リュミ様ってほんと優しいっ!安心してください、私達そんなんで責任取ってくれなんて言いませんよ〜。いやでも、そんな仲でもキモチは一緒。キシダの言いたいこと、なんかわかりますよ。

きゃはは☆オスカー、二人がかりだって〜!

いや、オリヴィエ様、あなたです。

え?ワタシ??…ワタシがいったいナニ言ったって…

趣味がサックスだなんて…リュートは知ってたけど…サックスってそりゃ一見カッコよさげだけど実際吹くとなると…あんま美しくない〜〜〜。サックスってほっぺた膨らまして吹くんですよっ?おまけにそれじゃ歌えないじゃないですか!寂しい〜〜〜!!オリヴィエさまの個人主義はわかります、でも孤独(ソロ)はイヤ!バックバンドはもっとイヤ!テナーもアルトも関係ないです!チャー●ー・パーカーみたいに酒と薬に溺れて死ぬなんて駄目〜〜〜〜〜〜!!(<超偏見)

私の演奏聴いたこともないくせに〜〜〜、人の趣味とやかく言わないでくれる?

ううう…確かに、サックスは単なる私のワガママかもしれません。しかしっ!ずっと秘密になさってた過去のお話、これはどーなんです?…どうせならそのままかたくなに言わずにいて欲しかった…

あれほど知りたがっていたではないですか。何がご不満なのですか?

だってーーーーー!…一番の夢はファッションデザイナーって…これはまだ呑みます、それ目指してんのにマヌカンから始めるってどうなんすか?ソレ、超おおざっぱな業界的には一緒ですけど、その実全然方向性違うじゃないすか。しかも最近じゃエクステンションに凝ってるとも。…オリヴィエ様はヘアメイクになりたいのかスタイリストになりたいのかデザインやりたいのか、ハッキリしてください、ハッキリ!!

ネイルアーティスト、も加えたほうが…。

ダイエット研究家もじゃないか?

そう!大体マルチな人ほど単なる批評家で終わるんです。そんなことも臭わせつつ、しかも地道に手作り服を店に持ち込んでは玉砕する毎日、ってアサヤンじゃないんすから〜〜〜。目を疑いましたよ…。苦労してんのはいいんです、貧乏だったとしても。キシダの言うとおり、オリヴィエ様ともあろうものが、そんなビンボーくさいのはダメ〜〜〜〜!

よ、よけーなお世話よ!…いいからっ、キシダの手紙の続き!

そう…別にオスカー様だけに感じるのではない。オリヴィエ様だって何か違う。リュミエール様だって、一見「そういう人だから〜」ですみそうなモンなんだけど…違うのよ〜!

わかる〜〜〜…ああ、そうか!アレは隠し事してるんだ!台詞の奥に秘密の香りがする。たとえばあの「波打ち際で犬とたわむれる少女」の話、“少女”じゃなくてキレーでまだ若い未亡人だったんじゃないかとどうしても思えて思えて…。

勝手に人の想い出を書き換えないでください!

コイツらにそんなこと言っても無駄だろう…。だが一言、俺もそっちのほうが!(力強く拳握りっ)

誰もアンタのツボ聞いてないって。

とにかく…他の方々に比べてナニやら中堅の皆様のエピソードはあきらかにニュアンスが違う…。確実に言えることは、若さがないってこと!!!もうなんか、隠居に片足つっこんでるっつーか…じーさん遠い目で「昔はこれでもやんちゃだったんだぞ〜」とか縁側で孫に語る状態。

それ言い過ぎ。

まだ21・2歳じゃないすか!いくら長生きしてるからって聖地にいる間は言ってしまえば人生の保留期間、世間じゃまだまだヒヨッコな年頃。枯れてる場合じゃないんです!これからですよ、これから!…なぁんか、最近じゃ年少組にも随分甘いカンジ…。そんな余裕ぶっこいてると、抜かれますよ〜〜〜〜。今のポジションなど所詮、砂上の楼閣〜〜〜。

うんうん(大きく頷く)。コミック版夢魔編の時だって、不在の間、マルセル様は速攻光様に、ランディ様は闇様に行ってたもんねぇ…。

…え…?それは本当ですか?

ホントですよぉ。なんか特にランディ様の最近の成長ぶりには目を見張るもんがあるんですよね〜。彼、かっこいいっすよ。大きくなった…(<WONもなんだか懐古ぎみ)

オリヴィエ命なWONさんまでがそんなことを…。そうですか…ランディが…(なにやら遠い目)。

あ、あ、あ、リュミ様、安心してください。クラヴィス様は睡眠もとらずにリュミ様のこと心配してて、窓から侵入したランディ様には不機嫌でしたから〜〜〜!

あの方が…眠れないほどに私を………。(ちょっと嬉しそう)

もちろん私の夢様命も変わりません、だからこそ気になって仕方ないんです。
そう、年下絡みで気になってたことがあるんですが…
オリヴィエ様ってブラコンなんぢゃないすか?
『天空』の時のかばう台詞とか。なんかお子さま陣営にやたら優しい言葉かけちゃって!特にランディ様、ティムカ様に対しては…もうっ!もうっ!もうっ!。(T-T)

え?私なんか言ったっけ?

知らんぷりですか………ならばここで読み上げさせていただきます!

手に持っていた、天空メッセージコレクションから一発でP284を開くWON

まず、ランディ様をかばった時!
【あんたって弟みたいなんだよねぇ。しかたない、守ってあげちゃおっかな♪】

…オリヴィエ…しかも音符付きか…。

まだまだですオスカー様!次っティムカ様をかばった時!
【あんたを見てると、守りたくなっちゃうんだよねぇ。兄弟愛か、仲間愛か…とにかく心配なんだ。】
ですよ〜〜〜〜〜〜〜!

……そんなにが恋しかったんですか……。

いや、その…ね、そんな深い意味は別に…ああいう切羽詰まった状況だしさぁ〜誰だって…。

…戦いが日常だったあの状況では、絆を求める気持ちもわかりますが…

そ、そうそう!だよね〜リュミちゃん!いいから先行こう!

人間、意識していない発言にこそ本音が出るもの。この一連のしっくりいかないお言葉の数々には何か理由や原因があるのじゃないか、いや大体いつからそんなことを言い出すようになったのか。何かにすがるように私は、『天空』のメッセージコレクションを見たのです。
…そしたら…なぜゲームプレイ時には気付かなかったのか。私はあまりに盲目すぎた。ここにこんなにハッキリと…ああああ、オスカー様〜〜〜〜〜あ。
でも…これも出会った時から知っている明かな事実ではあった。守護聖様を好きになった以上、呑まねばならない鉄板設定…覚悟はあったはずなのに。やはりその段になると
…あとからあとから涙が。

ナニ、何のこと言ってんだ??ええい、まどろっこしい、イイから言え!もー全部とりあえず聞くだけ聞いてやるから!

…オスカー様…まさか次に守護聖おやめになるのはあなただったなんて…っ!

えっ??それマジ???…なんすか?(リュミへ振り返り)

…あ、私はあの…オリヴィエ、ご存知でしたか?(オリヴィエへ振り返り)

…何にも聞いてないわよ。ホントなの?(オスカーへ振り返り)

いいかげんにしろっ!!!!!
俺だって初耳、つーかどっからどーなったらそういう話になるんだ!!

知らばっくれてもダメ。そうとしか考えられない。この『天空』時、あなたの“かばう”台詞の数々…。
参照ページは『天空・メッセージコレクション』P277。

何々…
【俺は仲間は守る主義なんでね。あなたも例外じゃないんだ、クラヴィス様】
【守らせてもらうぜ、オリヴィエ。狙われてる奴をかばうのは、仲間のつとめだからな】
【こうして、仲間を助けるのも悪くない。気分はどうだ、ルヴァ?】
仲間は、放っておけない性分でね。あんたのこと守らせてもらうぜ。(対チャーリー)】

スゴイ…「仲間仲間」って連発…。
えーと他には…
【お前をかばう、俺の芸術的な姿…その目に焼きつけとけよ、セイラン。】
あ、これもっと凄い!
【王太子を守るこの勇姿、伝説として、お前の国で語り継いでくれよ。頼むぜ、ティムカ!】

内容的にも確かにまるで引退間近…もっと言えば遺言のよう…

なんか終いにゃ懇願までしちゃってるし。

よくオリヴィエ様のプロフィールに「一匹狼的存在」とかってありますけど、これじゃあよほどオスカー様のほうがひとりぽっちのさびしんぼう。
そんなに言わないと仲間を意識できないなんて、
絶対サクリアの力が弱まってるんです。
そうに決まってます!!

そーかもしんない…。このリュミ様との第三段階。
【Oscar:ここは俺に任せてくれ。仲間は、助け合うのが当然だからな。違うか?リュミエール。】
【Lumiale:仲間…ですか。ええ、私も同感です。ありがとう、オスカー…。】

ですよっ?第三段階でこれって…。リュミ様の返事の「…」だって、オスカー様がなんでこんなことを念押すのかショックだったってカンジですもんね。そうでしょ?リュミ様!

(何か言えば言うほど手がつけられなく揚げ足とられると察知して)とりあえずパスいち…。

(リュミ様の手を強く握りっ!)お気持ちお察しします!寂しいですよね、こんなこと一方的に言われたら〜。

パスしたところで揚げ足とられるようだね、リュミちゃん…。オスカー、どうすんのコレ。

どうするってどうしようもないだろう!卑怯にもこの場にいないしっ!いやがったらもう殴るなり蹴るなり火炎放射器で丸焼きにするなり…

わかってたんでしょうね、いたら袋叩きにあうことが。さすがはファン。

見くびらないでください。私は逃げたわけじゃない…もちろん私だってショックです、立ち直れないほど…だけどオスカー様のほうがよほどショックなのよ!?思わず気が弱っておセンチ発言が口をついたり、ひかれる後ろ髪をぶっち切るように聖地を去るココロの準備に入っていたとしたって無理ないじゃない!…私が、こんな私でもできることをしなくちゃ…。たとえ宇宙の意思に背くことになっても!!! そうよ、今のこの病んだ現代にこそ生きるJFKの名演説を思い出すのよ…『諸君が国に何をしてもらえるかではなく、諸君が国に何を出来るかを自ら問うてみようじゃないか!』

なんと激しい…思い込み。すでに人に読ませる手紙であることも忘れ果てますね…。

誰か…このキ●ガイを止めろ…。

無理でしょう(きっぱり)。オスカー様だってこういう場合、突っ走ってヒトの言うことなんか聞きゃしないタイプだし。やっぱファンって似てきますよね〜。

似てないっ!全然似てないっっ!

で?そうゴリッパに覚悟したところで、どうしようってワケ。

身請けします。

はぁあ??

サクリアが無くなる、イコールもう聖地にはいられない。もうオリヴィエ様やリュミ様にお願いすることもできはしない。だからと言ってこのまま世間に出すワケにはいかない。
…たとえサクリアがなくったって、いついかなる時も真に強いのが本当のオスカー様。このキシダ、そんなあなたに戻っていただくためには、たとえ相身違えたって…一度この人と決めて捧げたこの愛をかけて!
私が身請けして、性根っから叩き直します!

なんだそりゃーーーーーーーーーー!!!!!
……おい、何とか…何とか言ってやってくれ、リュミエールっ!オリヴィエ!

岸田さん…そんなに思い詰めてはいけませんよ。たとえそれが事実であったとして、確かに世間の荒波にあっけなく呑まれてしまうかもしれないオスカーではありますが、あなたがそんな気負うことなど。

フォローになってねー!

大体その「身請け」ってのが意味不明よ。ねえ、アンタ今どこにいるわけ?

ここにいます。(いつの間にか部屋にいる岸田)

いるんかい!!

なんだよ〜どこいってたんだよ〜〜〜。心配したんだよぉぅ〜〜〜。

悪い悪い。ちょっと書類関係に手間取って。

書類?

いや〜、オスカー様の故郷ではどういうしきたりなのかわかりゃしないし。結局テキトーでいいやってなっちゃったんだけどね。…あ、申し遅れました、皆様、どうもこの度はいらっしゃいませ〜(深々おじぎ)。

挨拶はいい、そ・そのしきたりとか書類とかってのは何なんだ??(悪い予感に歪む顔)

え、だからコレですよ。婚姻届。ほぼ記入済みです、あとはオスカー様にバシっと拇印押してもらえりゃ。なあに、こんなもんはどーせカタチのもんですからソレで万事問題なし!(^^)(やけに上機嫌)

身請けってアンタ、結婚することなの??すっごい拡大…もとい歪曲解釈。

ヤだなあ、江戸時代の芸者の置屋じゃないんすから。もう世間は21世紀ですよ??現実的に行きましょう現実的にっ。

オスカー、岸田の手から書類をひったくる。一同のぞきこみ。

……があああああっっっ!!!(言葉無く悶絶)

……しかも空欄が「配偶者欄」ですね。

あくまで“お嫁さん”に欲しいってワケなのね?

そーなのそーなの。なんかさあ、私これだけオスカー様好きだけど、オスカー様の嫁になりたいって妄想はしたことないのよね。しかし!ひとたび「オスカー様を嫁にもらう」とすると…もー、盛り上がる盛り上がるっ!そうか、この手があったか〜って(^^)。物事って一方向から見てちゃダメよね!

なるほどねえ、なんかわかるなぁソレ。

わかってんな〜〜〜〜。
岸田っ!それ以上言いやがると首締めるぞ!!!(当然、びりびりと破られる婚姻届)

あ、予備いっくらでもありますから〜。

変なとこ用意いいんだよなぁ、岸田って。

く・くっっっそ〜〜〜〜〜〜!おい、リュミエールもっ、しげしげ見てんな、そんな書類!

…ああ、申し訳ありません。こういったものを見るのは初めてなのでつい興味ふかく。
…で岸田さん。

なんでしょ?リュミ様。

神前、仏前?それから和式でしょうか、洋式でしょうか?洋式だったらやはり6月が良いですよね、日取りは。

ば、馬鹿っ、何言ってんだっっ!!

いえ、意外に良いご縁かもしれませんよ?私、なんだか楽しくなってまいりました。

あはは、言えた言えた〜…こんなに面白いこともそう無いよね、ワタシも乗っちゃお!

オリヴィエ様がそー言うなら私もっ!

お前ら〜〜〜〜〜〜〜〜!!
!!!!!!!!!

(すでにオスカーのことは無視)…そうですね〜文金高島田のオスカー様ってのも魅力的ですけど、赤いカツラ無いだろーし。リュミ様だったら地毛でオッケーでしたね〜…ちょっとそれも見てみたいかもっ(^^)

ふふ、岸田さん、私は今日ほどあなたと一定距離を保てていたことを嬉しく思ったことはないですよ(にっこり)。

…俺は今日ほどオマエが羨ましいと思ったことはないぜ、リュミエール…。

(やっぱりオスカーのことは無視)常識的に言ってもウェディングドレスでしょうねえ〜やっぱり。

よし、私がお祝い代わりにデザインしてあげる!他ならぬオスカーの為だし!

じゃー私、頑張ってお針子やりますよ〜(^^)うわ〜なんか楽しい〜二人で徹夜とかしちゃうんだ〜…ありがとー岸田〜〜〜〜(^^)

では私は庭の花々でブーケを作りましょう。花は何が…ウェディングといえばやはりカラー…。

カラー、好きですけど、なんかこうちょっと大人っぽすぎじゃないですか?22歳の花嫁です、ここは可憐にマーガレットとか!

ではリボンはブルーにしましょうね(^^)

いいねえ、ブルーをどっかに入れると幸せになれるんだよね☆…ヴェールもいるよねぇ…どこのレースにしよっかな…ああ、腕が鳴る〜〜〜!!!

み、皆様そんなに…私うれし〜〜〜〜(爆涙)。

(目ぇうつろ)…嬉しくない…俺は嬉しくない…なんでこんなことに…。つーかだからまだ引退じゃないっての!!!(<絶叫!)

大丈夫!心配しないでオスカー様。
愛の炎で燃え尽きる前に必ず迎えに行きます!!すべてをかけてキミを守る… フッ、このキシダにここまで言わせるのはオスカー…キミだけだ。
さすがは俺の天使。…なあんちゃって〜〜〜〜〜!!!

(呆然)

そんなオスカー後目にその他一同小声で

さすが宇宙一のプレイボーイの口説き文句、キョーレツだよね…。

よもや自分に返ってくるとなると威力更に倍。…オスカーも頭真っ白のようですね…。

オスカー様、立ち直れるかなぁ……くわばらくわばら〜。あれ、リュミさま何描いてんですか?

(スケッチブックを見せつつ)ええ、ブーケのアレンジを考えていて。こんな感じではどうでしょう。どう思います?

あ、いいじゃん?カワイイカワイイ。

それならブーケ、式終わったらオリヴィエ様にあげましょうか?ほらよく、投げたブーケ拾うと次はその人が、なんて言うじゃないすか!

あ〜いらないいらないいらない

そんな三度も。しかも心底イヤそーに。

まったく失礼な。…ああ、でもやっぱり実際作ってみないとニュアンスが…花瓶のお花お借りしてよろしいですか?

どうぞどうぞ(^^)

さっそくブーケ試作にとりかかるリュミ様。なぜか持っていた水色のリボンをキュっと結んで

………完……璧………っ。(頬赤らめ)

(心で同時呟き)……それは良かったよ…………。

じゃあそのブーケ、アンタが貰って帰りな、当日は。

ええ、そしてオスカーを見習って私もいつの日か幸福になりましょう、ここにはいない誰かと。

…頼む…、何でもする、助けてくれ〜〜〜〜。俺をひとりにしないでくれ!

自分、一人でも雄々しく生きるオオカミが目標のくせに〜。

もうこの際あれは嘘だったってことにする!!前言撤回!!俺はそんなこと言わなかったっ!言ったとしても口がすべったんだっ!人間、そういうときが誰でもあるだろう?

なんか必死だね…。

ええ、悲壮とも言えます。でも何かいいな〜岸田はシアワセそうだなぁ〜〜〜。

じゃあWONもシアワセになりゃいいじゃん!

え…?そ・そそそそそ・そんなっっ!けっけっこ…けっこんなんてぇええ〜〜いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、ど・どうしましょうーオリヴィエさまぁ〜〜〜〜!(赤面しつつバシバシバシとオリヴィエの肩たたきまくり)

ちょ。ちょっと待ってよっ!矛先ワタシ??(急展開に蒼白)

他にいないではないですか。残念ながら私では役不足…(ココロからにっこり)。

ズルイっっ!一人だけ逃げよーったって…

しかしWONさん、オリヴィエはブラコンなのでしょう?

だから違うっ!

(オリヴィエには返事せず)そんな彼とシアワセになる為には「結婚」では無理なのでは。

ああっ、リュミちゃんアリガト〜〜〜(T-T)(手のひら返しにリュミに感謝)

あ、そっか、そうかもっ!じゃあ私、になります!!うん、そっちのがある意味ツボかも!

ナニ?!

リュミエール様、こんぷりーとなご指摘ありがとーございます!

いえいえ(にっこり)。

そうですよね〜、キシダ風に考えりゃオリヴィエ様だってじゅーぶん身請けしなくちゃならん状態だし…ここは私も腹決めて…兄貴の目を覚まさせてあげなくてはっっ!

…間違ってる、その三段論法、絶対間違ってってる!

どこも三段じゃないすよ、この話…。

まあまあ、オリヴィエも、ちょっと変わった弟ができると思えば…

よくないっっ!
よくない
よくない
よくないっっっ!

そんな心底嫌そうに4回も。

100万回だって言うわよっ!もう、私も前言撤回、言ってない、なんも言ってないっっ!!そうだよね、オスカー!!

あ?あ、ああ。(<どうやら逃避のあまりどっかイってたらしい)…そうだそうだ、そういうことだっ!とりあえずオマエらには言わなかったってことにする!

 

 

(急に冷静に) そうですか。 じゃあいいです。

(そそくさと、散らばった書類等を片づけつつ)はじめっからそー言ってくれりゃあ何もこんな。ね、WON。

そーそ。

(あっけにとられ脱力)……はぁ?……。

なんだったのよ、今までの騒ぎは。

せっかくブーケまで作ったのに。

やだ、皆様。まさか本気で嫁にいくとかもらうとか…いくらなんでもねえ。

もっと現実も見ないと。

だからオマエがそれ言うなっ
つってんだろう!!

じゃ、結婚したいんすか?そこまで言われちゃそりゃ…

違う違う違う違う。そーじゃなくっ!

ま、洒落です洒落。予想外なところでみんなで盛り上がれて楽しかったな〜。

ちょっと悪いジョーダンすぎるよ…アンタ達もいいかげんにしないと怒るよ?

俺はもう怒ってる!あるいは殺意すら!

暴力はいけませんよ、オスカー…あ、でも。(リュミ様、壁を見て)今日は…そう言えば…。

あ。リュミ様、お気づきになられましたぁ〜?

中堅お三方顔見合わせ

…エイプリル・フール…

ま、そういうことです。いや〜ご足労願って申し訳ありませんでした〜

悪いジョーダンでも許してくださいね〜

許せるレベルかーーーーーー
ーーーーーーーー!!!!!

俺達は忙しいんだ、こんな一惑星のローカルイベントにつき合わせるなっ!嫌がらせにもほどが…っ

(オスカーの口を封じ)ダメ、オスカー!ここでそれを否定したら今までのことが…

ええ、とりあえず流したほうが身のためです。この二人のこと、口じゃそんなこと言っててももしや本気かもしれないという懸念さえ。

さすがウチのリュミ様、理解あるなぁ〜。

疑ってるんですっ!

はは…そーだな…そうだ…君子危うきに近寄らず。

この二人のことはほっといたほうがいいよ…。

(おもむろに席を立ち)じゃ、そういうことで、俺達は帰る!

あれ、残念〜〜〜。せっかくこれからお茶でも出そうと。

キモチだけ貰っとくよ。

…記念にこのスケッチと試作ブーケ、差し上げましょう。(<なだめアイテムか?)

うそ、思わぬ収穫!!スケッチにはサイン入れてってください!大事にします!!!

…ははは…(乾いた笑い)。良かったな、岸田、WON。けっしてヤ●ーで売ったりするんじゃないぞ。

そんなことしませんよ。私達の愛を疑うんですか??

(取り戻したなけなしの冷静もすぐにキレ)
…だからっ…愛愛って言えばいいって…

(リュミと二人オスカー羽交い締めにして引きずりつつ)
じゃ、じゃあ、そーゆーことで。じゃねっっ!

お気をつけて〜〜〜次回おいでいただくのはたぶん人気投票ですから〜よろしく〜〜〜!
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