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【Are You Ready?】
マコちゃんたちとお茶できた嬉しさの余韻は、まだ続いていた。
ブロンディも部屋に戻ったようだし、マコちゃんたちもチェックアウトしたようだ。
私は福岡に戻る日。空港には7時ころ着けばいいので、まだ時間は少しある。これからどうしようかと考えていると、再びペチャンコのダンボール箱を持ったSTONESスタッフ。荷造りしていてダンボールが足りなくなったのだろう。フロントでの話しが済むと、また私のところへ。
さっき撮ったマコちゃんたちの写真を見せると「Cool!」と褒めてくれた。
しかし彼はやけにキョロキョロしている。誰かと待ち合わせ?
すると大きな荷物を持ちサングラスをかけたY風の男性が近づいてきた。STONESスタッフは「戻ってくるから、そこにいなさい。」みたいなことを言い残し、Y風の男と一緒にエレベータ・ホールの方へ行ってしまった。するとY風の男の後に連れが一人。後姿だったが、どこかで見たような…。しかし気にせづ、私はソファーでくつろぐことにした。
今まで撮影した写真をモニタで見ながら、一人ニヤニヤ。
10分ほどするとY風の人たちが長身のSTONES関係者の方と一緒に戻ってきた。さっきの連れの人を見ると、な〜んと顔見知りのSTONESファンの人だった。声をかけようとすると、目クバセしながら“声をかけないでぇ!!”と訴えているように見えたので、声をかけるのをやめた。
3人の姿を目でおうと、彼等はティー・ラウンジに入っていった。不思議だ。でも、暫くすると顔馴染みのSTONESファンがティー・ラウンジから出てきて隅っこに隠れるように立ち、私を招いているではないか。こわごわ傍に行くと、
「久しぶりですね。でも、ゴメン、今日は声をかけないで!! ゴメン。」と言うと、またティー・ラウンジに行ってしまった。不思議だ。
STONESツアーは夢もかなえてくれるが、こういう訳のわからないことも起こる…。彼について悩んでもしかたないから、「STONESファンは奥が深い」ということで無理やり自分を納得させることにした。
暫くすると、3人の男たちが出てきて、彼等はエレベータ・ロビーの真正面の通路の窓際の方へ。
顔見知りの人はカメラを片手に持っていた。
カ・メ・ラ…。………ピ〜〜〜〜〜〜〜ンときた。
私は、自然とロビー中央のソファーから、エレベータ・ロビーに近いソファーへと移動していた。ここからだとY風の男たちが見える。長身の人はいなくなったようだ。私は真剣に2人に注目した。窓際に立つ彼等は、落ち着かない風に大きなタメイキをしたり後ろ向いたり、横を向いたり、ジっとすることがない。緊張しているのが一目瞭然。
わぉ!!!! 何が起こるの? 誰が来るの?? 私は早く答えを知りたかった。
緊張する私の右手は、デジカメをしっかり握りしめていた。
……………………………………………………
しかし、何も起こらない。あれから30分以上はたっているのに…。でも、あの2人の雰囲気は普通ではないよね。
と、そこへまたまたSTONESスタッフがロビーに出てきた。近づこうとすると、ウインクしながら私を制止した。(忙しいのかな)と思い、ソファーに戻る。あの怪しい2人のことを聞きたかったのに。
STONESスタッフはフロントで話しを済ませると、帰りぎわに「また戻ってくるから、ここにいるように」と右人さし指を降りながら、小さな声でゆっくり言った。
圧倒された私は、質問も言えないまま頷くしかなかった。
みんな変だよ。すると、ホテルの人達がファンらしき人達に声をかけはじめたようだ。私はSTONESスタッフの人やマコちゃんたちと話しをしているのをホテルの人が見ているせいか、声をかけられたことがなかった(ラッキー)。それでも緊張しながら、バックから本を取りだし読んでいるフリをしたりして… (^ ^; 。
何分かすると、なぜかしらロビーの人工密度が減ったようだ。時計をみると3時を過ぎている。
それでも何も起こらない。再びSTONESスタッフがロビーに降りてきた。すると小太りの男性が彼に近づき話しかけていたが「エレベータ・ホールの場所から離れてくれ」みたいなことを言われていた。やっぱり、誰か来るんだ!!
この雰囲気を察知したロビー内に潜んでいたSTONESファンは、エレベータ・ホールの近くに集まり出した。それでも5人いるかいないか。でもSTONESスタッフの人から「エレベータ・ホールの場所から離れてくれ」みたなことを言われている。
するとSTONESスタッフが私に近づいてきて指で招いた。(おっ、私はY風の男と一緒にエレベータ・ホールの近くで待っていいってこと! さすが友だち!)と喜んだのも束の間、逆の方向にエスコートするではないか。彼は、玄関近くのソファーの横に立ち、私にそこに座れと言うではないか。
(どうして。友だちじゃなかったのぉ)と心で泣きながら「さっきの場所のほうがいいのにぃ」と訴えながら座ると、また人さし指を降りながら、小さな声でゆっくり「Are You Ready?」と言い、バックを指差しウインクをした。
その笑顔を見てピ〜〜ンときた。MICKが来る!!!
場所には不満だが、そのときのための準備にかかる。MICKに渡すために用意したBERO CITYの資料とデジカメ、サイン用のアルバムとペン…。
私がゴソゴソしていると、さっき「エレベータ・ホールの場所から離れてくれ」と言われていた小太りの男性が私の横に座ってきた。「誰か来るんですよね?」と言うので、「多分MICKですよ」というと「うわぁ。俺カメラも何も持ってきてないよ。」と独り言を何回も繰り返していた。
私の心臓は鳴りっぱなしになった。
続く……
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