脱色された髪。王者ライオンのようにボリュームのある髪。
スリムなジーンズと白い草履とサングラス。
どんなに遠くからでも、それは森山だと、一目でわかった(^^)。
一歩間違えば、街のチンピラと同化しそうなスタイルだったが、
森山から発散される最上級のオーラはチンピラさえ
可愛く見えてしまうほどの凄みをもっていた。
街を歩けば素晴らしきバンドマンたちにでくわすことができた素晴らしき時代。
それは、モダンの佐谷だったり、ロッカーズの陣内だったり、
山善だったり、菊さんだったり、
森山だったり。(凄すぎる街だ)
そして、そんな彼らには共通点があった。
いつ、どこで会おうと、彼らは独自のスタイルを
頑なまでもキープしていたのだ。
海のむこうでThe Rolling Stonesがバンドマンの生き方の原型を
知らず知らずのうちに形成していたように、
誰に教わったわけもないのに、バンドマンとしてのスタイルを
貫いている男たちが博多にも存在していたわけだ。
スタイルの基本は、「軟派」というより「硬派」。
それゆえ男も女も根こそぎ彼らの虜になってしまうわけだ。
しかし決して、装っているということではなかった。
いつ、どこで見かけても、決して私達を裏切ることはない。
森山は、いつだってザ・モッズの森山だった。
ただ森山の後ろ姿は、寂しそうだったという印象がある。
うつむきがちに、ゆっくり歩く森山。
でも、そんな後姿も、ザ・モッズの森山なのだ。
時代を経て、ファッションは変わったが、
彼らの生き方は当時のままだ。
森山だけじゃない、現モッズのメンバーのスタイルは、
デビューのためにつくられたものではなく
デビュー前から、生粋のロッカーだった。
4人の誰をとっても、当時のままの印象だ。
そんな男達で溢れていた博多の街で、今も私は生活している。
( 2004.09.19 BERO )
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